大迫勇也、南米選手権欠場へ…アジア杯酷使にブレーメンが異例の招集拒否文書

スポーツ報知
けがを抱えたままアジア杯を戦い活躍した大迫

 ドイツ1部ブレーメンは12日、所属するFW大迫勇也(28)について、日本代表が招待出場する6月開幕の南米選手権(ブラジル)への派遣をしないと発表した。既に日本サッカー協会にも伝えたとしている。大迫は日本が準優勝したアジア杯(UAE)で4試合4得点とエースの存在感を発揮したが、ブレーメンでは背中の痛みを訴えて5日のドイツ杯3回戦と10日のリーグ戦アウクスブルク戦でベンチ外となっていた。

 日本協会とブレーメンの間に火種が生まれた。ブレーメンは公式サイトで強化責任者のバウマン氏の声明を発表。大迫が出場したアジア杯決勝でけがを悪化させた形跡はないが、クラブに合流後は公式戦2試合を欠場している状況を報告した。同氏は「困惑している」と批判すると同時に、6月の南米選手権は休養優先で派遣しないことを決めた。13日朝、同選手権の派遣を拒否するメールが日本協会に届いた。

 大迫は昨年12月末のリーグ戦で右でん部を痛めた。UAE入り後の1月6日にチーム全体練習に合流し、初戦のトルクメニスタン戦(同9日)に先発出場。2得点の活躍と引き換えに、でん部の痛みを再発させ、別調整に入った。ただ、森保一監督(50)は「メディカルからの報告で大会期間中には回復できる」と治療を続け、準決勝イラン戦、決勝カタール戦でフル出場した。

 ブレーメン側は、出場できる状態だったかを疑問視しているようで、同氏は「準決勝、決勝に出場できたとして、それらの試合で悪化しなかった。でも、クラブに戻ってプレーできない」と触れている。協会関係者は拒否文書が届いた前例は「今まで聞いたことがない」としたが「(ブレーメンの)対応は理解できます」と話した。

 自大陸連盟以外の大陸別選手権について、国際サッカー連盟(FIFA)の規定では、協会が選手の拘束力を持たない。招集はクラブごとの判断になる。森保監督はアジア杯に不参加の海外組と東京五輪世代の国内組を中心に編成する考え。大迫が招集されなかった可能性が高いが、今年中に開幕する見込みのW杯予選を見据え、協会はブレーメンに対して真摯(しんし)に説明する必要がある。

 ◆南米選手権 南米連盟が主催し、世界最古の代表チームによる大陸選手権。1916年が第1回で、93年以降は南米連盟所属の10か国と招待の2か国が参加するスタイルになった。これまではメキシコや米国が頻繁に参加していたが、19年6月14日開幕の第46回大会(ブラジル)は日本とカタールが招待された。12チームが3組に分かれ、2位以上と3位の上位2チームが決勝トーナメントに進出。最多優勝はウルグアイの15回。

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