【札幌】コンサドーレ札幌が「個の戦い」を制せず、鹿島に3失点完敗

スポーツ報知
後半40分、アンデルソンロペスのゴールにつながるヘディングシュートを放つ鈴木

◆明治安田生命J1リーグ▽第4節 札幌2―0鹿島(17日・札幌ドーム)

 北海道コンサドーレ札幌が「個の戦い」を制せず、3試合ぶりの黒星を喫した。ホーム鹿島戦は前半12分を始めに3失点。後半40分にMFアンデルソンロペス(25)の2試合連続弾で1点を返すも、1―3で敗れた。1対1の局面で負ける場面が多く、持ち味とする攻撃の連係を分断された。完敗も、今季初めてセットプレーで得点するなど強みをプラス材料とし、レベルアップを図っていく。

 18年ぶりの鹿島撃破はかなわなかった。カウンターから失点を重ねての1―3敗戦。得点差は2だったが、それ以上の力の差を、札幌がホームで見せつけられた。

 強みを消された。MF宮沢裕樹主将(29)は「球際で上回っていかないと(いけない)。そこはベースの部分なので」と振り返った。相手の強く早い圧力がミスを呼び、1対1で負ける場面が目立った。2失点目は右サイドでMFルーカスフェルナンデス(24)が日本代表DFの安西幸輝(23)に突破を許し、ゴール近くまで進入を許した結果生まれるなど、個で崩された。

 ミハイロ・ペトロヴィッチ監督(61)が掲げる「超攻撃的サッカー」は、決して華麗なパス回しを繰り出すものではない。大前提とする「走り戦う」を軸に、まず個の戦いで負けないことが前提になる。浦和、清水は圧倒できたが、アジア王者には根底の部分で見劣った。MFチャナティップ(25)は「相手の質がこれまで以上に高かった」と更なる向上の必要性を痛感した。

 体感した差は、培ってきたものを貫き、埋めるしかない。DF福森晃斗(26)は「ブロックを作って素早いカウンターの形が徹底されていた」と鹿島の強さを認めながらも「こういう相手もいると身には染みたが、うちは相手がどう来ようともボールを握って崩すスタイル。実際崩せそうな場面はあったし、やり続けるしかない」と考えにブレはない。

 返した1点は、福森のCKから今季初となるセットプレーで決めた。札幌の武器の1つからの得点で、残り少ない時間も反撃ムードは作った。まだ4試合を終えただけ。得た収穫と出た課題にしっかり向き合えば、敗戦も無駄にはならない。

(砂田 秀人)

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