乾貴士、中島翔哉に宣戦布告「俺は右じゃないんで」同じ左サイドで勝負

スポーツ報知
コロンビア戦に向け調整する乾(カメラ・頓所 美代子)

 日本代表は20日、親善試合のコロンビア戦(22日・日産ス)に向けて横浜市内で合宿3日目を行った。スペイン1部・アラベスに所属するMF乾貴士(30)は「拓実(南野)、律(堂安)、翔哉(中島)は日本の武器。そこに割って入るためには試合でアピールしないと」と、新BIG3に宣戦布告。消化不良に終わった1月のアジア杯での悔しさを、この2試合にぶつける構えを見せた。

 対抗心がうかがえた。日本代表で一緒にプレーするのは初めてになる中島について「2人は共存できそうか?」と尋ねられると、乾は少し苦笑いを浮かべた。「ポジションがかぶっている以上、何とも言えないですね」と答えると「個人として、しっかりアピールしないといけない」とコロンビア戦への決意を口にした。

 負傷の中島に代わり追加招集された1月のアジア杯では、初戦から2試合連続で出番なし。使われない理由を知りたくて、自ら森保監督のもとを訪れたこともあった。攻撃の軸である3人から定位置を勝ち取るため、この2試合が持つ重要性は十二分に理解している。「中島になくて自分にあるものは?」との問いには、数秒考え「なんすかね。分かんないです」と小さく首を振り、「自分の特徴は分かってもらっていると思うので、そこを出していきたい」とプライドをのぞかせた。

 1月にベティスからアラベスに期限付き移籍。新天地では右MFとしてプレーし、加入後は6戦負けなし(3勝3分け)と大きく貢献している。「コンディションは確実に上がっている」と手応えを感じる一方で、ポジションにはこだわりを見せた。「今はチーム事情で(右MFを)やっているだけ。俺は右じゃないんで。このままずっとやるかと言えばやらない。(日本代表で)俺が律の所で出られるのかといえば、また違う話になる」と、あくまで得意とする左サイドで勝負するつもりだ。

 本田、川島が不在の代表メンバーのなかで、ピッチ内で積極的に意見交換できる乾の存在は貴重。「新しい選手はアピールしたいと思うのが普通。そこをサポートできれば」と、鎌田ら初招集組の支援にも意欲を見せた。「(親善試合2試合の)テーマ? アピール。それだけです」。代表生き残りへ、目に見える結果を求めていく。(種村 亮)

 ◆乾のコロンビア戦 18年ロシアW杯の初戦で対戦し、乾は左MFでW杯初先発。前半6分にMF香川のPKで先制したが、乾はリズムに乗れず「特に前半は迷惑をかけた」と語ったように、簡単にボールを失う場面もあった。チームは後半28分にFW大迫の決勝点で2―1と勝利。フル出場の乾は献身的な守備で貢献したが、攻撃面で存在感を示すことはできなかった。

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