中島翔哉で攻撃活性化 コロンビアに0―1「勝てなくて残念」

スポーツ報知
後半、強烈なミドルシュートを放つ中島(カメラ・竜田 卓)

◆国際親善試合 日本0―1コロンビア(22日・日産スタジアム)

 日本代表は、後半19分にハンドで与えたPKをFWファルカオ(33)に決められ、0―1でコロンビア代表に敗れた。準優勝に終わった1月のアジア杯(UAE)を負傷欠場したMF中島翔哉(24)が攻撃陣をけん引。MF香川真司(30)らロシアW杯組が復帰した中で存在感を発揮した。ゲーム主将を務めたMF柴崎岳(26)=ヘタフェ=は、チーム状況を「捉え方によっては危険」と警鐘を鳴らした。その背景を、岡島智哉記者が「読み解く」。

 簡単には止まらなかった。森保ジャパンに帰ってきたMF中島は、昨年11月20日のキルギス戦(豊田ス)以来となる代表戦でも、堂々と自らの“武器”を示した。左MFで先発すると、前半は得意のドリブルで何度もチャンスを広げ、後半38分には左足の切り返しから右足を振り抜き、左上隅のバーをかすめる惜しいシュートも放った。笑顔で悔しがる姿は、強豪・コロンビアとの試合を心から楽しんでいる証拠だった。

 「勝てなくて残念。次に向けて準備して、より楽しく、いいサッカーができるようにしたい」と無得点を悔しがったが、右ふくらはぎ負傷で欠場したアジア杯では足りなかった“個”をチームに注ぎ込んだ。前半37分にはクロスをFW鈴木に合わせて決定機を演出。準優勝に終わったアジア杯、日本は攻撃面でエースFW大迫の出来に左右されるという課題が出た。しかし、DF長友が形容した“ドリブルおばけ”中島の復帰は、左サイドを起点に右の堂安やFWを生かすという、アジア杯では多くはなかった攻撃パターンを確立させる予感を漂わせた。

 今回、香川の復帰によりアジア杯を除き背負ってきた背番号10から、8に変更となった。「香川選手が代表でずっと10番をつけてきたのは知っているので、僕も香川選手につけてもらいたいと思っています。番号は何番でもいいって言っているので」。そう苦笑いを浮かべたが、この日に限っては途中出場した10番以上のインパクトを残したことは確かだ。

 2月にはポルトガル1部ポルティモネンセから、日本選手最高額の移籍金3500万ユーロ(約43億7500万円)でカタール1部のアルドハイルに移籍。22年W杯開催国とはいえ、レベルが低いリーグへの移籍にも映る。しかし当の本人は、前半26分のパスカットからチャンスを作ったプレーなど「前回の代表の時よりはボールを奪えた。そういうのも求めて、カタールに行ったので」。守備の仕事も求められる同国で成長を実感している様子だ。「自分がひとりいれば、日本がすごく良くなるとは思っていない。とにかく自分が出せる全力のプレーを」。謙虚に語るドリブラーは、背番号が何番であっても、攻撃の核となりうる可能性を秘めている。(金川 誉)

 ◆森保ジャパンの左MF争い ここまでの13試合で左MFの先発内訳は、原口が8試合(3得点)、中島が4試合(1得点)、乾が1試合(0得点)。1月のアジア杯までの5試合では中島が3試合に先発。得点こそ1点だが、多くのアシストを記録しており、1番手に最も近い。その中島が離脱していたアジア杯では原口が存在感を発揮しており、この2人は不動の存在だ。そこに割って入ろうとするのが、ロシアW杯組の乾と宇佐美。26日のボリビア戦では出場機会が与えられると予想され、結果次第ではさらに激化することになる。

 ◆中島 翔哉(なかじま・しょうや)1994年8月23日、東京・八王子市生まれ。24歳。東京Vの下部組織を経て2012年9月にJ2デビュー。14年にF東京へ完全移籍後、富山へ期限付き移籍。同8月にF東京復帰。17年8月から1年間の期限付きでポルトガル1部ポルティモネンセへ移籍し、同5月に完全移籍。19年1月に日本人史上最高額となる移籍金約44億円でカタール1部アルドハイルへ移籍した。16年リオ五輪では日本代表の10番として出場。日本代表には18年3月23日のマリ戦でデビュー。167センチ、62キロ。血液型AB。

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