再確認させられた香川の魅力!中島との共存でさらに生きる…岩本輝雄のDirecto

スポーツ報知
コロンビア戦の後半、相手陣内に攻め込む香川真司

◆国際親善試合 日本0―1コロンビア(22日・日産スタジアム)

 後半19分に与えたPKをFWファルカオ(33)に決められ、0―1で南米の強豪・コロンビアに敗れた森保ジャパン。そんな中、元日本代表MF岩本輝雄さん(46)はアジア杯を負傷欠場、久しぶりの代表戦となった中島翔哉(24)=アルドハイル=と後半20分から途中出場した香川真司(29)=ベシクタシュ=との“新旧10番”が共存した後半の30分間に注目。「中島がさらに生きるためにも、トップ下の香川が見たい」と分析した。(構成・中村 健吾)

 後半、本気を出したコロンビアにやられたという感じの試合だったが、右サイドバックの室屋成(24)=F東京=とセンターバックの冨安健洋(20)=シントトロイデン=は目立っていた。

 室屋は守備での貢献度も高かったが、オーバーラップのタイミングが抜群だった。少しもったいないのはクロスの精度。そこがもっと上がれば、さらにビッグチャンスがつくれるし、彼の評価も上がっていくだろう。

 冨安は、とにかく人に強い。ファルカオとの1対1でも、ほとんど完封。やられることがなかった。ラインコントロールもうまい。カバーリングも良かったし、安定していた。決勝点となったPKのハンドだけはしようがない。

 FW陣では、鈴木武蔵(25)=札幌=の縦に抜けるスピードが目立った。前半37分の決定的シーンでもうまくポジションをとって、フリーになっていた。シュートこそ外してしまったが、あそこにいるということが何より大事なので、今後に期待できる。鎌田大地(22)=シントトロイデン=も速いし、楽しみな存在だ。

 今回、試合前から注目していたのが、ロシアW杯以来、久しぶりの代表復帰となった香川。中島と香川との共存が可能かを見たかった。結果的に後半20分に香川が入ったことで試合の流れが明らかに変わった。

 中島は相変わらずキレがあり、ミドルシュートにも非常にいいものがあったが、香川が入ったことで、さらに生きた。相手のマークが引き寄せられることによって、中島がボールをフリーで受けることができる。2人の距離感がいいため、中島得意のカットインしてからのシュートもあり、ワンツーで2人で崩すこともできた。香川が今回、良かったのは周りをうまく使えるようになっている点。彼が相手ボランチの背後でボールを受ける時には脅威になるだろう。

 逆に中島にボールが入り、相手が奪いにいこうとした時も香川が常にいいポジションを取っているため、さらにいい形でボールが受けることができる。南野拓実(24)=ザルツブルク=も同じ事ができるプレーヤーだが、香川の方がこれまでの経験値から1枚上手。26日のボリビア戦では、香川の先発が見てみたい。

 堂安律(20)=フローニンゲン=も屈強なコロンビアDF陣の当たりに負けていなかった。あのポジションは得点、アシストが欲しいところだが、いい選手であることは間違いない。

 柴崎岳(26)=ヘタフェ=は今日も安定していた。判断が速いし、ポジショニングも常にいいし、相手をつぶすのがうまい。さすがはスペインリーグでやっているだけのことはある。

 小林祐希(26)=ヘーレンフェイン=も短い出場時間だったが、彼がボールを触ると、リズミカルになって、ボールがうまく循環する。小林、香川、柴崎、中島、乾貴士(30)=アラベス=が共存した最後の15分間は本当に魅力的だった。押し込んでいたし、もっと見たいと思わせる時間だった。

(題名のDirecto・ディレクト=スペイン語で「直接、まっすぐに」の意味)

サッカー

×