世界に勝つにはミドル打て!…記者が読み解く

スポーツ報知
コロンビア戦の後半、ミドルシュートを放つ中島

◆国際親善試合 日本0―1コロンビア(22日・日産スタジアム)

 日本代表は0―1で敗れたコロンビア戦から一夜明けた23日、横浜市内で練習を行い、26日のボリビア戦(ノエスタ)に向けて神戸に移動した。コロンビア戦ではMF堂安律(20)=フローニンゲン=らの積極的なミドルシュートが枠を外れ、森保体制初の無得点。それでもシュートを打ち続けるべき理由を、金川誉記者が「読み解く」。

 無得点で敗れたコロンビア戦は、サッカーファンの間で小さな論争を巻き起こした。シュート数はコロンビアの9本に対し16本と上回ったが南野、堂安、中島の3人が放った計7本のミドルのうち、枠内に飛んだのは中島の1本だけだった。堂安は中島と並ぶ3本、南野も1本を放ったが全て枠外に。彼らの姿を“無謀”“ワンパターン”ととらえる声がSNSなどで上がっていた。

 前半21分、堂安のミドルはゴール右に外れたが、FW鈴木へのパスという選択肢もあった。堂安は「少し周りを無視して無理矢理打ったシーンもあった。あれは決めないと信頼もなくなっていく。ただ見えていた中の判断。技術不足です」と話していた。

 堂安、南野、中島の3人はエリア外からでもゴールを狙える強烈なシュート力を備える。遠めからでも狙う姿勢は時に強引にも映るが、強豪との対戦では簡単にエリア内でビッグチャンスは作れない。CKやこぼれ球につながる可能性もある“中距離砲”の威力や精度は、日本と世界との差でもある。

 日本の指導者現場では、ミドルシュートの意識を持たせることに苦労しているという話もある。日本人の国民性は他国と比べて失敗を恐れる意識が強く、確率が低いミドルは打たない傾向がある。だが、パンチ力を備え、若くから海外でもまれている堂安らは違う。生き残るために時に強引にでも足を振り抜き、結果を残すことの重要性を肌を感じているように見える。

 森保監督はコロンビア戦後、「日本選手が(ミドルを)打てるようになったのはポジティブにとらえたい。決められるようにすれば、もっと相手(DF)が出てくると思うので、個の連係連動の突破も生きてくる」と語った。失敗を恐れずにゴールを狙い続ける彼らの姿勢は、まだ粗削り。だが日本代表が2022年カタールW杯で16強の壁を破るためには、必要不可欠な要素だ。

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