メッシも嘔吐したボリビア代表本拠地は標高3676メートル…本紙記者もリタイア

スポーツ報知
ボリビア代表の予想布陣

◆国際親善試合 日本―ボリビア(26日・ノエビアスタジアム神戸)

 日本代表と対戦するボリビア代表は、23人中20人が国内組で構成されている。富士山と同等の高地で日常生活を送る選手ばかりだ。世界各地を巡ってきたサッカー担当・岡島智哉記者(27)がボリビアで高山病の憂き目に遭った過去を振り返った。

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 入社前の2014年7月28日。南米大陸横断中だった私は、標高3676メートルのボリビアの事実上の首都・ラパスにたどり着いた。前年に酸素の薄さからアルゼンチン代表FWメッシが嘔吐(おうと)し、「プレーするのもおぞましい」と言い捨てたボリビア代表の本拠地・エルナルドシレスを目指した。

 富士山(3776メートル)に匹敵する標高。膝に手をつきながら上り坂を登ったが、経験したことのない吐き気と頭痛に襲われた。薬局で酸素ボンベを買ったが効果なし。運動神経だけは自信があったが、残り1キロ地点で立てなくなり無念のリタイア。高山病だった。すぐに隣国・ペルー行きのバスに飛び込んだ。サッカーができる環境には到底思えなかった。

 南米選手権にも出場するボリビア代表は、ホームで直近7戦負けなし。アルゼンチンやチリにも勝利している。招集メンバーは23人中20人が国内組とビッグネームは不在だが、過酷な低酸素環境で日々プレーする“心拍機能お化け軍団”だ。

 22日にはFW孫興民(26)=トットナム=など主力組が先発した韓国との親善試合で0―1と善戦した。ビジェガス監督(54)は「自分たちに(南米選手権へ向けて)何が足りないか、課題を見い出していきたい」と語った。無尽蔵のスタミナを武器に、森保ジャパン撃破を狙う。(岡島 智哉)

 ◆ボリビア 南米大陸の共和制国家。憲法上の首都はスクレだが、事実上はラパス。ラパスは標高約3637メートルに位置する。「奇跡の絶景」といわれる広大な塩の大地、ウユニ塩湖が有名。面積は110万平方キロ(日本の約3倍)、人口は約1121万人。公用語はスペイン語、ケチュア語、アイマラ語、グアラニー語。

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