【浦和】西川、完封で代表指揮官にアピール…森保監督「すごくいい」

スポーツ報知
後半、川崎・小林(左)のシュートを防ぐ浦和GK・西川(カメラ・佐々木 清勝)

◆明治安田生命J1リーグ第19節 浦和2―0川崎(1日・埼玉スタジアム2002)

 浦和は、GK西川周作(32)が視察に訪れた日本代表の森保一監督(49)へのアピールとなる好守を披露し、川崎に2―0と完封勝利でJ1通算400勝を飾った。先制点のFW興梠慎三(32)はJ1最長タイとなる7年連続2ケタ得点。鳥栖の元スペイン代表FWフェルナンドトーレス(34)はシュート0本に終わり途中交代した。

 落ち着いた的確な判断が、昨季の得点王を不発に追い込んだ。浦和GK西川は前半37分に続き、後半21分にも川崎FW小林との1対1の危機。「我慢すれば、いいことが起きる」。ペナルティーエリア外に出て相手に圧力をかけることもできたが、手を使える状況を捨てず、飛び込んで生まれるスキも排除した。前半は左足、後半は右足でシュートを止めた。

 「ピンチになればなるほど余裕が大事。皆がハードワークしてくれているから余裕も生まれる。自分には最後を守る責任感がある」。好守だけでなく、振る舞いでも存在感を見せた。後半21分のピンチは1年目の右MF橋岡のパスミスから生まれたもの。スーパーセーブでしのいだ後、橋岡に「入ってないから大丈夫。切り替えていこう」と声をかけた。

 日本代表の森保監督は「プレーも良かったし、橋岡がミスをして、それを西川が止めて、橋岡を鼓舞するというか励まして。そういう場面はすごくいいなと思いました」と、広島時代の12年と13年に監督と選手で連覇した教え子をたたえた。ロシアW杯は落選したが、最終予選まで正守護神だった西川は「またポイチさん(森保監督)とやりたい」と森保ジャパン入りを熱望した。

 W杯からヒントを得ていた。7月中旬、土田尚史GKコーチがロシア大会の1対1の場面を10シーンほど集めた映像を作り、GK陣で議論した。西川は「自分から仕掛けてもったいないと思った失点とかを見て、意見を出し合った」と成長につなげた。

 W杯中断明け3勝1分け。前節の広島戦に続き、上位陣から2連勝し、鹿島、横浜Mに並ぶJ1通算400勝も達成した。順位も7位に浮上。「必ず上に行くという強い気持ちを持って目の前の敵を倒していきたいです」。冷静な守護神は闘志を胸に逆襲を誓った。(羽田 智之)

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