【神戸】イニエスタ、来日初ゴールで暫定4位浮上「本当に喜んでいます」

スポーツ報知
イニエスタが磐田GKカミンスキー(右)をかわして来日初ゴールを決める(カメラ・義村 治子)

◆明治安田生命J1リーグ第21節 神戸2-1磐田(11日・ノエスタ)

 神戸の元スペイン代表MFアンドレス・イニエスタ(34)が、神技トラップから来日初ゴールを決めた。0―0の前半15分、元ドイツ代表FWルーカス・ポドルスキ(33)のパスを受けると鮮やかなターンでDFをかわし、右足でゴール。2―1で磐田を下して暫定4位に浮上し、目標とする3位以内のACL出場圏を視界にとらえた。

 2人の世界王者のイメージが重なり“魔法”が発動した。前半15分。ゴール前に進入したイニエスタは元ドイツ代表FWポドルスキからの高速パスを受けると、パスのスピードをそのまま生かした鮮やかなターンでDFを置き去りに。GKをキックフェイントでつり出すと、角度のないところから右足で流し込んだ。

 加入後3試合目で生まれたJ初ゴールを「本当に喜んでいます。素晴らしいパスからいいゴールを決められた」と笑顔で振り返った。年俸32・5億円のイニエスタと同6億円のポドルスキが一緒に出場するは初めて。ともに練習したのは4日間だが「ルーカスのようなレベルの選手と分かり合うのは、ある意味簡単なんです」。国は違えど世界レベルの共鳴は必然だった。

 イニエスタがバルセロナで慣れ親しんだ4―3―3システムを採用し、イニエスタは左インサイドハーフ、ポドルスキは右FWに入った。以前はポドルスキがトップ下などに入り、中盤を組み立てようと下がりすぎることが多かった。しかし、この日はイニエスタが組み立ての中心となり、自身は右サイドから左足からのラストパスやサイドチェンジでチャンスを演出。“相乗効果”に「今日のゴールはみんなができるわけじゃない。僕も刺激を受けています」と手応えを感じ取った。

 イニエスタは7月28日の柏戦後、家族を迎えるためスペインに一時帰国し2試合を欠場。今月5日に再来日した後の初戦でフル出場した。後半38分にはPKを与えたが、フル出場で勝利に貢献した。昨季まで所属したバルセロナでは過去5シーズンのリーグ戦で5得点。得点はFWメッシらに任せ、チャンスメイクに徹していたが「(バルセロナとは)場所も選手たちも違って状況は異なるが、自分のベストを出せるようにやっていきます。これからはゲームの組み立てだけじゃなく、ゴールでチームを手伝えれば」。背番号8は、神戸で魔法を見せ続ける。(金川 誉)

 ◆アンドレス・イニエスタ 1984年5月11日、スペイン・アルバセテ生まれ。34歳。Rマドリードからも勧誘されたが、12歳でバルセロナの下部組織へ入団。2002年10月にトップチームに昇格しバルサ一筋。リーグ9回、スペイン国王杯6回、同国スーパー杯7回の優勝に貢献。欧州CL4回、クラブW杯3回優勝。10年南アフリカW杯で母国を初優勝に導いた。171センチ、68キロ。家族は妻と子供3人。

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