【宏太’Sチェック】ジェイに“気を使う”都倉の動き

スポーツ報知
後半ロスタイム、同点弾を決めた札幌FW都倉賢

◆明治安田生命J1リーグ第22節 G大阪1-1札幌(15日・パナソニックスタジアム吹田)

 勝てはしなかったが圧巻の試合だった。G大阪に個々でやられる場面はあったが、チームとしての完成度で札幌が勝っていた。その要因は責任感の違いにある。

 G大阪はMF倉田がどこにでも顔を出していたが、それが過ぎると、その位置にいる選手が何をしていいか分からなくなる。一方の札幌は自分の位置の与えられた仕事は全うし、それ以外は仲間を信頼して任せていた。会社に例えると行き当たりばったりでなく、きちんと整理された机で仕事を完成させていた。今回は引き分けに終わったが、あの内容を示したことは他チームにも重圧を与えられる。

 シャドーの位置で都倉が結果を出したことも大きかった。これまでジェイとそろって先発した時は互いに自分の位置を譲らず、ともにボールに行きがちだった。それがG大阪戦では都倉がジェイに対して“気を使う”プレーをしたのが生きた。

 その布石となったのは前半28分、2人が左クロスへのヘディングでかぶった場面。そこで都倉が修正の必要性を感じ、ジェイがいない場所を選んで入って行くようになった。同点弾の場面もジェイは中央にいたが、都倉はファーサイドに構え、決めることができた。試合中に動きの違いを出したことに成長を感じたし、都倉のシャドーは十分に機能すると確信した。(吉原宏太、1996~99年札幌FW)

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