【札幌】都倉賢、クラブ最多タイ70得点&自身初のJ1初の2ケタ得点

スポーツ報知
前半36分、同点ゴールを決めたMF宮沢下に駆け出すFW都倉(右)

◆明治安田生命J1リーグ第24節 清水1―2札幌(25日・アイスタ)

 北海道コンサドーレ札幌FW都倉賢(32)が、三重の喜びを手にした。アウェー・清水戦は1―1の後半29分、都倉が利き足の左で決めたゴールが決勝点となり、2―1で逆転勝ち。2連勝で暫定4位に浮上した。これが今季10点目と、J1で自身初の2桁得点を記録。2014年の札幌加入からの通算は70点と、97~98年にプレーしたFWバルデスの持つチーム記録に並んだ。30歳を超えて進化を続ける男は、更にゴールを量産し、勝ち点を積み上げていく。

 一気に決めた。クラブ記録にあと1とした清水戦。都倉が3戦連弾でトップの座に就いた。左足を豪快に振り抜いて突き刺した、パワーに満ちた、らしさ全開の一発で飾ったメモリアル弾に「自分の壁を一つずつぶち壊して、昨年超えられなかった2桁に到達したのは、自分でも誇りに思う」。今季10点目と札幌通算70得点での勝ち点3取りに、そう表情を緩ませた。

 決して万全の状態ではなかった。前節19日のF東京戦で右足首を痛めた。全体練習をフルで消化したのは試合前日の24日。「試合開始から痛みは感じていた」状態も、後半35分まで走り抜いた。「ギリギリのところだったができて良かった」。弱みは見せず、エースとしての働きを演じた。

 2014年、海外挑戦に失敗。帰国した際に真っ先に声をかけたのが札幌だった。定位置を失いかけた時は何度もあったが、得たチャンスで結果を出し、ゴールを重ねていった。「30歳を過ぎ、ツボを押さえていって得点感覚が上がってきた。経験を積んで自分の取り扱い方が変わってきた」

 攻撃に関わる事は何でもしたかった男は、札幌に来て、生きるすべを見つけた。「前線でハードワークして、ゴールを奪う事にこだわる」。器用な自分を捨てた今、他から本当に恐れられるFWになった。(砂田 秀人)

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