【札幌】劇的勝利でACL見えた!クラブ史上最多J1勝ち点44で4位浮上

スポーツ報知
後半ロスタイム、勝ち越しのPKを決める札幌・都倉

◆明治安田生命J1リーグ第28節 札幌2―1鳥栖(29日・札幌ドーム)

 北海道コンサドーレ札幌が劇的勝利で、J1でのチーム最多勝ち点を更新した。ホーム・鳥栖戦は1―1の後半50分、FW都倉賢(32)が自ら奪ったPKを決め、2―1で勝利。今季の勝ち点を44とし、7試合を残しながら、過去J1で最多だった昨季の43を上回った。順位は4位に浮上。6日に発生した北海道胆振東部地震後、天皇杯も含め公式戦で3連敗を喫していたが、エースが土壇場で見せた執念の一発で、リーグ戦3試合ぶりの白星をつかみ取った。

 思いを乗せた弾道が、ゴールに吸い込まれた。後半ロスタイム。左から突破を図った都倉が自ら得た、PKの好機。「久々に緊張した」。重圧のかかる場面も自身に言い聞かせた。「練習通り蹴って止められたら仕方ない」。ゴール左隅を狙った速く低いキックが、3戦ぶり白星の決勝点となった。

 チームトップの今季12点目は初のPK。前半26分にはジェイがPKを止められる場面をベンチから見ていた。「ジェイが外していたので」。嫌なイメージが頭に浮かんでおかしくない状況も、都倉は屈しなかった。「自分の仕事をするしかない」。エースとしての責任感を、しっかり形にした。

 6日の地震後、公式戦で3連敗を喫していた。川崎には7失点(0●7)も食らった。「苦しんでいる人がまだまだいる中、なかなか勝てなくて。自分たちが壁を乗り越えることで、前向きな印象を受けてもらいたかった」。10月5日の横浜M戦後には大きな被害を受けた3町を訪れる。その前に結果を出したかった。「これで多少は胸を張って行ける」。選手会長として、早くから支援策を思案してきた都倉は「僕らは北海道とともにある」と声を大にし、勝利を喜んだ。

 クラブとしての進化も示した。この勝利で勝ち点は44に到達。昨季、J1最高位タイの11位となった際の43を上回った。7試合を残しての記録更新で、順位を4位とし、ACL出場権のある3位・鹿島との勝ち点差も1と、現実味を帯びてきた。都倉は言った。「残り試合を死に物狂いで戦って、勝ち点を重ねていきたい」。苦しみを乗り越えつかんだ1勝で、札幌が再浮上へののろしを上げた。(砂田 秀人)

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