【札幌】被災地から元気もらった!菅野、逆に「感謝」

スポーツ報知
安平町の避難所でカップ麺を子供に手渡す菅野(左)

 J1北海道コンサドーレ札幌が、勇気を送りに行った被災地から、元気をもらった。9月6日に発生した北海道胆振東部地震で被害の大きかった厚真、むかわ、安平の3町を7日、札幌の全選手が訪問した。台風25号の影響で予定していたボランティア活動は中止となったが、避難所を訪れたほか、サッカー教室などを行った。被災した中も笑顔で受け入れてくれた人々と直接、触れ合い、みんなが「北海道のため」という思いをより強くし、継続的支援を誓いに立てた。

 大地震から約1か月。被災地の現状を初めて目の当たりにし、札幌の誰もが沈痛な表情を隠せなかった。安平町を訪れた選手会長のFW都倉賢(32)は「地震の爪痕を強く感じた」と漏らした。通常生活に戻れない人がまだまだいる状況を見て、GK菅野孝憲(34)は「グラウンドから道民を元気づけられるようにしないと、と、より強い気持ちになった」と皆の思いを代弁した。

 1日も早い復興へ、チームとして全力を尽くす。厚真に行ったMF宮沢裕樹主将(29)は「これからもっともっと、元気を与えられるよう、やれることをやっていきたい。今日はそのスタート」と声を大にし、都倉は「単発ではなく、しっかり寄り添いながら、たとえ微々たるものでも、手助けをしていきたい」と約束した。3町に加え、この日募金活動を行った札幌市に義援金各100万円を送ったが、今後も活動は継続していく。

 厚真で選手と行動をともにした札幌OBの工藤光輝氏(27)は「感謝しかない」と話し、安平のサッカー教室に参加した谷村航洋さん(安平早来中3年)は「充実した時間だった」と笑顔を見せた。被災地に喜びは与えた。ただ、菅野は「むしろ、僕らの方が元気をもらった。感謝しかない」と口にした。被災に負けじと戦っている人々の思いも力に変え、残り6試合を札幌が全力で駆け抜ける。(砂田 秀人)

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