【G大阪】黒ニットのレーヴ・スタイルの宮本監督、采配ずばりでJ1残留“マジック1”

スポーツ報知
選手に指示を送るG大阪・宮本監督

 前半は耐え、後半に勝負―。G大阪が宮本恒靖監督(41)のゲームプラン通りの逆転勝利で横浜Mを2―1と下し、3年半ぶりの6連勝を飾った。前半は1点のリードを許したが、後半26分にともに途中出場のFWアデミウソンのアシストから、韓国代表FW黄のゴールで同点に。そして同41分、アデミウソンを起点にMF小野瀬のJ1初ゴールで逆転に成功した。「もっと勝つことで、よりよい結果につながっていくと思います」。黒いニットにスリムなパンツと、まるでドイツ代表のレーヴ監督のようなクールなスタイルでピッチサイドに立った指揮官は、快勝に納得の表情を浮かべた。

 この試合、指揮官はあえてエースの韓国代表FW黄、絶好調のFWアデミウソンをともにベンチスタートにした。「前半は相手の出足がいいという中で、守備的に。1点リードされてもいい。後半に勝負をかける」というプランからだ。そこで5連勝中に手応えをつかんでいた4バックではなく、あえて3バックを選択。ときに両サイドMFも下がった5バックでスペースを消した。攻撃時はサイドバックが中央で組み立てに加わるなど、独特のポジショニングでJ1最多52得点を誇っていた横浜M対策だった。

 そして後半、4バックに変更して前へ圧力をかける守備を展開。黄とアデミウソンを立て続けに投入してゴールに迫ると、ふたりが絡んで2点を奪い逆転に成功した。MF今野が「こんなにうまくいくとは思わなかった。前半は勝てる気がしなかったけど、後半完璧に流れを変えたんで。狙い通りといっていいんじゃないですか」と驚くほど、試合前から選手たちも共有していたイメージ通りの展開だった。

 これで勝ち点39まで伸ばし、10位に浮上。J1が18チームとなった05年以降、勝ち点40をとって降格したチームはない。7月途中に就任した若き指揮官の下、V字回復を果たしたG大阪が、J1残留まであと一歩のところまできた。

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