【札幌】クラブ初2年連続残留へあと勝ち点1「もう下を見ているチームじゃない」

スポーツ報知
後半5分、1―1とするゴールを決めたFWジェイ(右から3人目)は、歓喜しながら駆け出す

◆明治安田生命J1リーグ第30節 湘南2―2札幌(20日・BMWス)

 北海道コンサドーレ札幌が、クラブ史上初となる2年連続J1残留をほぼ手中にした。勝てば残留が決まったアウェー・湘南戦は2―2で引き分けた。決定はならなかったが、勝ち点1を上積みして45とし、残り4試合の15位・鳥栖、16位・柏との勝ち点差は12となったため、残り5試合で勝ち点1以上を取れば決まる状況となった。この日、シュート数で22対8と圧倒しながら勝ち点3を得られなかった悔しさを糧に、28日、アウェーで名古屋を破って一つの目標を達成する。

 札幌の歴史に新たな1ページを刻む瞬間は、持ち越された。前半、相手に唯一放たれたシュートで先制された。後半、追いついては突き放され、再度同点としての2―2引き分け。クラブ初の2年連続J1残留が決まる条件の白星は、手にできなかった。18日が誕生日だったミハイロ・ペトロヴィッチ監督は61歳の初陣を飾れず「最後の精度を上げきらないと点は取れない。それが引き分けの理由」と課題を挙げた。

 22本―8本とシュート数だけでなく、主導権を握り続けたのは札幌だった。しかし、躍進の要因となってきた武器とするクロスが中の選手に合わない場面が多く、得点機を逸した。後半5分に1―1の同点とする起点のCKは放つも、流れの中でのキックが得点につながらなかったDF福森晃斗(25)は「センタリングの精度は、ちょっとの技術のところで大きく変わる。勝てなかったのは自分の責任でもある」と悔いたうえで「もっと練習から研ぎ澄ませてやっていきたい」と雪辱を期した。

 反省点は出た。ただ、残り5試合で勝ち点1を取ればJ1残留は決まる。MF宮沢裕樹主将(29)は「次、勝てば自分たちの手で残留をつかみ取れる。勝ち点3を取ることで、より高い目標を目指すこともできるんだから」と、名古屋戦の勝利だけを見据えた。順位は一つ落ちて6位となったが、ACL出場圏の3位は十分、手の届く位置にある。福森は「もう下を見ているチームじゃない。上だけを見て、残り5試合を戦いたい」と意を強くした。目指すさらなる高みへ、この引き分けは通過点とする。(砂田 秀人)

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