【甲府】崖っぷち!栃木と痛恨ドローPO圏内6位大宮と残り4戦11差

スポーツ報知
険しい表情でサポーターにあいさつする甲府イレブン(カメラ・三須 慶太)

◆明治安田生命J2リーグ第38節 栃木2―2甲府(21日・栃木)

 1年でのJ1復帰を目指すヴァンフォーレ甲府が、いよいよ崖っぷちに立たされた。敵地で栃木と対戦し、2―2で引き分けた。終了間際にブラジル人FWジエゴ(24)が移籍後初ゴールとなる同点弾を決めたが、J1昇格プレーオフ(PO)出場に望みをつなげるには勝利が必須の中で、痛恨のドローに終わった。残り4試合でPO圏内の6位とは勝ち点差「11」とわずかに可能性は残るも、非常に厳しい状況となった。

 日が暮れ始めた秋空に、試合終了の笛がむなしく鳴り響くと、甲府イレブンは力無く膝に手をつき、天を見上げた。上野展裕監督(53)は「栃木のプレスや(守備の)ブロックをかいくぐれずに苦しんだ。勝利を届けられず申し訳ない」と声を絞り出した。

 先制弾で、勢いにのるはずだった。前半7分、MF小椋祥平(33)がダイレクトで技ありの右足ミドルを決めた。しかし、4分後、相手FKから元日本代表FW大黒将志(38)にDFの背後を取られ失点。連続無失点は5試合で止められた。後半26分にもDF山本英臣(38)のクリアが大黒にカットされ、再び失点。終了間際にMF高野遼(23)の左クロスをジエゴが頭でたたき込んだが、遅すぎる反撃だった。

 残り4試合でJ1昇格PO圏内の6位・大宮との勝ち点差は「11」。まだ可能性はあるが、是が非でも勝ち点3を取らなければならない試合だった。あまりにも痛いドロー。主将の山本は「自分のミスでチームを苦しめてしまった。悔しい」と唇をかんだ。小椋も「戦えていないと言えば戦えていなかったかもしれない。いつもできていることができていなかった。勝つしかない状況で(指示や鼓舞する声など)もっと言えば良かった」と自らを責めた。

 更なる苦難が待ち受ける。チーム最多10得点のFWジュニオールバホス(25)が、累積警告のため次節の讃岐戦(28日・中銀スタ)は出場停止。さらに守備の要のDF小出悠太(24)が相手との接触で負傷交代し「(鼻骨が)折れているのではないか」(上野監督)という状態だ。J1昇格への糸はクモの糸ほどのはかないものとなったが、山本主将が「サポーターに悔しい思いをさせている。全力を尽くさないといけない」と話せば、小椋も「応援してくれる人がいる。残り全部勝つつもりでいかないと」と必死に前を向いた。今は力の限りを尽くし、勝ち点を積み上げるしかない。(三須 慶太)

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