浜松開誠館、静岡学園下し悲願の全国初出場…静岡県西部勢では41年ぶりの優勝

スポーツ報知
前半26分、浜松開誠館・山田(奥)が先制ゴールを決める(カメラ・武藤 瑞基)

◆全国高校サッカー選手権静岡県大会最終日 ▽決勝 浜松開誠館2―1静岡学園(17日・IAIスタジアム日本平)

 平成最後の選手権決勝は、浜松開誠館が静岡学園に2―1と競り勝ち、創部14年目で悲願の全国初出場を遂げた。前半26分にセットプレーからDF山田梨功(3年)の2戦連発ヘッドで先制すると、後半序盤までに2点先行。同17分に1点返されてから静学の猛攻に苦戦したが、体を張って防いだ。西部勢では1977年の浜名以来41年ぶりの優勝。最高殊勲選手(MVP)には山田梨功が選ばれた。全国大会の組み合わせは19日に決まり、12月30日に開幕する。

 浜松開誠館が総体を含めて県大会決勝4度目の挑戦で、全国への扉を開いた。深緑のピッチで両手を突き上げる選手、死力を尽くして倒れ込む姿もあった。選手の手で3回胴上げされた青嶋文明監督(50)は「自分の力不足で全国へ行けなかった選手を思い出した」と、感涙にむせんだ。

 前半26分の左CKから、山田主将が11日の準決勝・藤枝明誠に続いて2戦連続の先制ヘッド。今大会5試合連続無失点だった静学守備陣を崩した。「練習通り。いいボールが来た」と会心の一撃だ。後半3分にはFKでMF川畑陸(3年)が「ゴールへと向かうボールを蹴った」と、絶妙なキックでオウンゴールを誘った。

 セットプレーは1年間かけて準備してきた。スクリーンで入れ替わってマークをずらすなど「相手によって変える」と指揮官。キッカーも球質が違う4人と、パターンは数十種類ある。2点に絡んだ川畑は今大会直前に故障から復帰し「緊迫した試合ではセットプレーが大事。勝利に貢献できて良かった」と、ユニホームで涙をぬぐった。

 後半は耐え忍んだ。1次トーナメントから5試合33得点の静学攻撃陣から、13本ものシュートを浴びた。青嶋監督は「過去の反省から、バランスを崩さずに最後の所を押さえればいい」と守備リーダーの山田に指示。夏以降に先発となった2年生守護神・菅沼一晃の2度の好セーブや、川畑の体を張ったシュートブロックで同点を許さなかった。

 青嶋監督は、清水市商(現清水桜が丘)のFWとして1985年度の全国選手権優勝。今度は監督として挑む。県勢はここ3年連続で初戦敗退しているが、「しっかり準備する」と指揮官。山田主将は「全国出場は通過点。目標は全国制覇です」と、大きな野望を抱いて夢舞台に臨む。(青島 正幸)

 ◆浜松開誠館 1924年(大正13年)創立の私立校。1998年に女子校の誠心から浜松開誠館に校名変更、男女共学となった。生徒数880人(うち女子376人)。サッカー部は2005年創部。部員数81人(3年29人、2年29人、1年23人)。運動部では女子バスケットなどが全国出場。主なOBは竹内涼、松原后(ともに清水)

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