【大分】片野坂監督、男泣きのJ1決定…西野・森保・長谷川イズムで最多76点

スポーツ報知
選手にゲキを飛ばす大分・片野坂知宏監督

◆明治安田生命J2リーグ最終節 山形1―1大分(17日・NDスタ)

 松本、大分の来季J1昇格が決まった。首位の松本はホームで徳島と0―0のドロー。勝ち点1差で追う2位の大分が山形と1―1で引き分けたため、松本がJ2優勝と4年ぶり2度目のJ1昇格を決めた。J1昇格資格のない町田が4位となったため、5位の大宮と6位の東京Vが25日にJ1参入プレーオフ(PO)の1回戦で激突。勝者が3位の横浜Cと12月2日に同2回戦で対戦。同8日に決定戦(J1の16位が参加)が行われる。また、J1の17位以下が確定していた長崎はJ2降格が決まった。

 うれし涙があふれ出した。1―1で試合が終了すると、片野坂知宏監督(47)は選手たちと共にピッチ上で町田対東京Vが終わるまで待機。3分後、速報でいち早く昇格が決まったことを知ったサポーターが沸いた。2位で13年以来6年ぶりのJ1復帰。J3経験チームでは初のJ1昇格を決めた指揮官は「選手、スタッフと昇格をつかみ取ることができてうれしい」と、指示を出し続けて、しゃがれた声で感謝した。

 日本一のコーチと共にどん底からはい上がった。G大阪のヘッドコーチから就任を決めたのは15年秋。大分はJ2の残留争いをしていた。「自分が監督になった時にいい絵が描けるんじゃないかと思った」。当時、G大阪の長谷川健太監督から強く慰留されたが、結果的にJ3に降格した大分を率いることに迷いはなかった。

 西野朗監督の下でG大阪のコーチを務めた時にはACL優勝、森保一監督の下で広島のコーチを務めた時にはJ1連覇、そして長谷川監督の下では3冠達成と誰よりも勝つ体験を味わってきた。「たくさんの素晴らしい監督の下で攻撃も守備も学ばせてもらった」。就任1年目の16年にJ3優勝しJ2に復帰すると、3年目となった今季は多彩な攻撃パターンで最多の76得点をマーク。J1の舞台へ導いた。

 今秋には協会から日本代表スタッフ入りの話もあったが、大分での続投を選んだ。「トリニータのサッカーがJ1で通用するか見てみたい」。日本一のコーチから日本一の監督へ、まだまだ冒険は続く。

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