【甲府】9位でJ1復帰ならず カップ戦好調もリーグはなぜ…

スポーツ報知
17日のリーグ最終節・横浜C戦に敗れ渋い表情の甲府イレブン

 ヴァンフォーレ甲府にとって6年ぶりのJ2は9位に終わり、1年でのJ1復帰には届かなかった。ルヴァン杯や天皇杯のカップ戦では結果を残した中、肝心のリーグ戦では最大の目標を達成できなかった。試練が続いた今季を、担当の三須慶太記者が「見た」。

 21日の天皇杯準々決勝で鹿島に0―1で敗れ、甲府の2018年シーズン公式戦は終了した。今季の試合数は「56」。これは1999年のJ2参入以降、クラブ最多だ。それはJ2ながら出場したルヴァン杯、そして天皇杯でクラブ最高タイの8強に進出したことが大きい。だが肝心のリーグ戦では9位に終わった。

 J1相手にいい戦いをしながら、リーグ戦ではなぜ昇格に届かなかったのか。ある選手は「J2の方が切り替えが早い。J1の方がきちんとフォーメーションを作り、慌てないでやってくる」と語った。J2ではボールをつなぐよりも、球際の激しさや攻守の切り替えの早さで勝負したり、相手の良さを徹底的に消してくるケースが多かった。

 カップ戦はJ1勢もメンバーを入れ替えることが多く、一概には言えないが、自らの良さをぶつけ合う試合では善戦した。「(J2は)甲府が今までJ1で勝ち点を積み重ねてきたような試合をするチームが多い」。別の選手はシーズン序盤にそう話していた。その戸惑いを解消できないまま、シーズンが過ぎてしまったように思う。終盤には攻守のバランスが整い安定した戦いをしたが、残された時間は少なかった。

 チーム最多11得点のFWジュニオールバホス(25)ら攻撃の核が負傷離脱した不運や、過密日程となったことでコンディションが整いにくい状況もあった。しかし「56」という数字がプラス材料も生んだ。多くの試合をこなしたことで若手の出場機会が増え、DF小出悠太、MF曽根田穣(ともに24)らの台頭もあった。明るい材料を力に変え、来季こそ大願成就なるか―。

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