【浦和】オリヴェイラ監督、最高の誕生日プレゼント選手に感謝 ACL切符諦めない

スポーツ報知
鹿島を下して決勝進出を決め、GK西川(右)と喜ぶ浦和・槙野(カメラ・川口 浩)

◆天皇杯 ▽準決勝 浦和1―0鹿島(5日・カシマスタジアム)

 準決勝2試合が行われた。浦和は前半27分にDFマウリシオ(26)が先制点を奪い、鹿島を1―0で破って3大会ぶりに決勝に駒を進めた。オズワルド・オリヴェイラ監督の68歳の誕生日を祝った。“みちのくダービー”となった一戦は、仙台がJ2で唯一勝ち残っていた山形との打ち合いを3―2で制し、クラブ創設24年目のシーズンに初の決勝進出を決めた。決勝は9日午後6時から埼玉スタジアム2002で行われる。

 オリヴェイラ監督は思い出に残る完封勝利を収め、しばらくベンチで余韻をかみしめた。2007年から5シーズンでリーグ3連覇など6冠を獲得した古巣との大一番。「非常に難しい試合でした。ビッグクラブ同士の緊張感あふれる試合でした。前半、鹿島は3回明らかな決定機を作りました。ただ、浦和は決定機をモノにすることができた。選手をたたえたい」。すっきりした表情で試合を振り返った。

 この日は68歳の誕生日だった。「勝利をプレゼントしてくれ」。ミーティングで選手にリクエストしていた。試合後、選手全員がバースデー・ソングを歌うなか、鹿島時代からの教え子のFW興梠がケーキを手に寄ってきた。次の瞬間、顔面にケーキを押しつけられ、手荒い祝福を受けた。興梠は「怒られたけど、僕しかできないから」と、ちゃめっ気たっぷりに笑った。

 今年4月に浦和の指揮官に就任した。7月、W杯から帰国したDF槙野に、「このタイトルは取りたいんだ」と説明し、オフを与えず、同月11日の天皇杯3回戦・松本戦にフル出場させた。リーグ戦は5位で終え、来季のACL出場権は天皇杯制覇しかない。優勝請負人として頂点にこだわった。

 前半27分、DFマウリシオがMF柏木の右CKを頭で合わせて先制した。その1点を守り切り、前身の三菱重工時代を含め、12大会ぶり7度目の天皇杯制覇に王手をかけた。試合前日練習にサポーター来場を呼びかけ、選手の後押しをリクエストするなど士気を高める方法を熟知する。就任1年目のタイトル獲得まであと1勝になった。(羽田 智之)

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