【磐田】OB茶野氏、J1参入プレーオフの後輩へ金言「受け身にならず、攻めろ」

スポーツ報知
サムアップする茶野コーチ(新潟医療福祉大提供)

 J1ジュビロ磐田OBの元日本代表DF茶野隆行さん(42)=新潟医療福祉大コーチ=が“J1残留法”を伝授する。8日にJ2東京VとJ1参入プレーオフ(ヤマハ、午後2時)を戦う磐田は6日、静岡県内で練習。この日も完全非公開で行われた。2008年、リーグ16位でJ1、J2入れ替え戦(ホーム&アウェー方式)を戦った磐田は、仙台を2戦合計3―2で下し残留を決めた。その2戦にフル出場した茶野さん。10年前の記憶をたどりながら、ジュビロに「必要なもの」を教えてくれた。(取材・構成 山田 豊)

 茶野さんは10年前に入れ替え戦を経験している。引き分けでも残留が決まったJ1最終節・大宮戦(08年12月6日)で、後半30分に失点して0―1と敗れた。当時クラブ史上最低の16位に転落し、中3日で入れ替え戦に回った。

 「リーグ戦は自信なさげなプレーが続いた。開き直ることが大事と言い聞かせた。08年は今の磐田と同じで過渡期。新しい選手もいる中、練習からゴンさん(現J3沼津のFW中山雅史)が鼓舞し、(チームは)一つになった」

 J2仙台との入れ替え戦。12月10日の第1戦は敵地に乗り込んだ。

 「無失点を意識し、耐える。攻撃は前線に任せ割り切った戦いをした」

 初戦は1―1。J1残留を懸けた第2戦(12月13日)は、終盤に1点を争う戦いになった(2―1で勝利)。

 「とにかく長いロスタイム4分。耐えるしかなかった。でも、ゴンさんと名波さん(浩=現磐田監督)がベンチから声をずっと出し、一体感が出た」

 ギリギリの戦いから得るものは多かった。2戦先発のFW前田遼一は翌年、得点王になった。3得点の松浦は、今も磐田で活躍する。

 「マツ(松浦)はその後成長した。若い選手は捨てるものがない。MF上原、DF大南、特にサポーターから期待の高いFW小川航は思い切りぶつかってほしい」

 苦しいときはベテランが盛り上げてくれた。

 「今の磐田はMF中村、FW大久保、そして(DF大井)健太郎がいる。1つのプレーが大事になる試合。3人がどれだけ引っ張れるかはポイント」

 運命の一戦は何を大切にしたらいいだろうか。

 「(2日の2回戦で)東京Vに敗れた横浜Cも、0―0の試合終了間際に失点し負けた。受け身にならず、攻め続けることが大事。まずは先制点。引き分け狙いはダメ」

 最後は、後輩の勝利を願っていた。

 ◆茶野 隆行(ちゃの・たかゆき)1976年11月23日、千葉県生まれ。42歳。千葉・市船橋高卒業後、市原(現J2千葉)に入団。2004年のハンガリー戦で日本代表デビュー。05年に磐田加入、09年には主将を務めた。10年、千葉に移籍。翌年の引退後は磐田普及推進グループでコーチを務めた。15年は当時J1新潟コーチ。16年から新潟医療福祉大コーチに就任した。J1通算350試合10得点。国際Aマッチ7試合0点。DF。利き足は右。家族は妻と1男。

 ◆2008年のJ1、J2入れ替え戦(磐田―仙台)

 敵地での第1戦、磐田は先制を許したが、後半8分、当時19歳のMF松浦拓弥のミドル弾で1―1追いついた。ヤマハでの第2戦は、松浦の2ゴールでリード。後半44分に1点を返され、後半ロスタイムにも猛攻を受けたが、GK川口能活、茶野ら守備陣の活躍で逃げ切った。磐田は2戦合計3―2で残留を決めた。

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