【岩政大樹 オン・ザ・ピッチ】日本サッカーの課題「試合を終わらせる」

スポーツ報知
2日のJ1参入プレーオフ2回戦、試合終了直前にゴールを決め喜ぶ東京V

 最終節までもつれたJ1残留争いはロスタイムに決着がつく、まさに最後まで目が離せない展開でした。プレーオフに回ることになってしまった磐田と対戦する権利を得たのは東京V。こちらもロスタイムの劇的なゴールで決勝へと駒を進めました。今年のJリーグを象徴するような劇的な展開の連続は、私も見ていて非常に楽しませてもらっています。

 同時に、日本サッカーの課題という面から捉えると、いつまでも変わらない現実があることを思い知らされます。つまり「試合を終わらせる」ことができていません。

 「試合を終わらせる」とはサッカーでよく使う言葉で、勝っているチームが相手を見ながらうまくゲームコントロールをして、きっちりと勝ち切ってしまうことを言います。日本のサッカーは以前から課題と言われ続けていて「サッカーは2点差が一番危ない」などという言葉も、2点差を追いつかれることが多い日本ならではだと聞きます。

 今回ロスタイムに勝負を分けたゴールも、確かに川崎や東京Vの素晴らしい攻撃がありましたが、残念だったのは、いずれのゴールもそのシーンから考えると“最も送り込む可能性が高い場所”でやられていることです。つまり、相手が予想外なことをしてきたわけではなく、正攻法でやられてしまっています。

 分かっていても止められないことがあることは、よく知っているつもりです。成熟したチームでも、やられるときはやられます。ただ、2つの試合を見ていて「もったいなかった」という感情が残るのは事実です。

 今年はW杯でベルギー戦の敗戦もありました。そして、このJリーグの結末。私は日本サッカーが何かに気付くべきだと言われているように思えてなりません。(元日本代表DF)

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