【仙台】悲願の初タイトルならず ジャーメイン不発「チャンスつくれなかった」

スポーツ報知
1点が遠く、敗れた仙台イレブンはがっくり肩を落とした(カメラ・大好 敦)

◆天皇杯全日本サッカー選手権決勝 浦和1―0仙台(9日・埼玉スタジアム)

 ベガルタ仙台は浦和(ともにJ1)に0―1で敗れ、クラブ悲願の初タイトル獲得と東北勢初優勝はならなかった。天皇杯4戦連発を期待されたFWジャーメイン良(23)は不発で、後半22分に交代。日本代表に成長したGKシュミット・ダニエル(26)も一瞬のスキを突かれた形だが、来季も仙台でプレーする意向で「もう一度、決勝の舞台に立って今度こそ勝ちたい」と明言。大きく成長した若手の勢いを武器に、来季こそ悲願のタイトル奪取を目指す。

 浦和サポーターの歓喜に包まれたピッチに、仙台イレブンが崩れ落ちた。終盤は何度も攻め上がり、チャンスも作ったが、浦和の守備陣を崩せずに0―1。天皇杯で3試合連続でゴールを決めていたFWジャーメインはワントップで先発したが、チャンスを作れず、後半22分で無念の交代となり、「チャンスをつくれなかった」とうつむいた。

 それでも若手の勢いが仙台を初の天皇杯決勝に導いた。渡辺晋監督(45)は今季「調子の良い選手はどんどん使う」と、練習から良いプレーでアピールする選手には積極的にチャンスを与えた。その方針がチーム内競争を活発化させ、若手の台頭を促した。

 リーグ戦終盤にボランチのレギュラーをつかんだMF椎橋慧也(21)やジャカルタ・アジア大会の準優勝に貢献したU―21日本代表DF板倉滉(21)も主力で活躍。ジャーメインも、11月24日のリーグ戦・鹿島戦(0●3)で日本代表DF昌子源(25)らに封じられた反省から「練習でうまくいっても、昌子選手が相手なら取られているとイメージしながら、プレーを追求している」と、今月1日のリーグ最終戦でのゴール、天皇杯準決勝の山形戦(3〇2)で1ゴール2アシストと成長を示した。

 悔しさが残った決勝の舞台。今季日本代表戦デビューしたGKシュミットは引き続き仙台でプレーする。「もう一度、決勝の舞台に立って勝つ。リーグ戦の順位にもこだわって上位を狙いたい」と前を向いた。この経験を糧に、来年こそ悲願の初タイトルで、東北に歓喜を届ける。(小林 泰斗)

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