【鹿島】内田「勝ちにこだわる」“戦えて満足”から2年、クラブの威信かけレアル倒す

スポーツ報知
Rマドリードと日本チームの対戦結果

◆クラブW杯▽準決勝 鹿島―Rマドリード(19日、ザイード・スポーツシティスタジアム)

 【アブダビ(アラブ首長国連邦)18日=岡島智哉】アジア王者の鹿島は、クラブW杯準決勝・Rマドリード(欧州王者)戦に向け、試合会場のザイード・スポーツシティスタジアムで最終調整を行った。史上初の3大会連続優勝を狙う世界屈指の名門が相手だが、DF内田篤人(30)は必勝を宣言。延長戦の末に敗れた2016年大会決勝(2●4、横浜国際)のリベンジへ、欧州王者に真っ向勝負を挑む。

 中東特有の鋭い夕日に照らされる選手たちの表情は、真剣そのものだった。全23人が参加したアブダビ市内での練習。内田は「こういう緊張感の中で練習できるだけでも全然違う。ピリピリしてた」と満足げに語った。決戦へ準備は整った。

 2年前の12月18日。決勝でRマドリードと戦い、延長戦の末に2―4で敗れた。土居は「フワフワした感じで、ファンみたいな感覚で。今思うと『勝てればいいな』ぐらいだった」と振り返る。昌子も「『よっしゃ、レアルとやれるんだ』っていう思いがあった」と続けた。

 しかし今年は違う。最高成績8強と勝てず「内弁慶」と揶揄(やゆ)されてきたACLで優勝。国際大会のタイトルの味を知り、アジア王者として「レアルへのリベンジじゃなく、大会へのリベンジ」(昌子)と意気込んで大会に乗り込んだ。

 準々決勝・グアダラハラ戦(3○2)後の取材エリア。DF鄭が「レアルが好きでサッカーを始めた。セルヒオラモスが憧れです」と話したことを伝え聞いたGK権の顔から笑みが消えた。「レアル戦後に言うべきこと。浮かれてはいけない。厳しく言っておきます」

 内田は「こういう舞台は場数がものを言う」と断言する。前人未到の3度のACL制覇を果たした権が最後尾にそびえ立ち、昌子も代表選手して経験を積んだ。内田もドイツから帰還。16年ぶり復帰のジーコ・テクニカルディレクターも「2位と最下位は同じ。タイトルを取ってから喜べ」と選手を鋭いまなざしでにらむ。

 無論、相手は世界屈指の名門。内田は「我慢の連続だと思う。1人でもさぼったらサクッとやられる」と気を引き締める。実力差は明白だが、2年前とは違う。「鹿島は勝ちにこだわるから」と内田。屈辱、自信、プライド…。2年間で得た全ての経験を欧州王者にぶつけ、世界一へ王手をかける。

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