【金沢】柳下監督「不撓不屈」したたかに1ケタ順位目指す

スポーツ報知
色紙に「不撓不屈」と記した金沢・柳下監督

 新元号となる2019年はクラブ史上最高の年にする。今季5シーズン目のJ2を戦うツエーゲン金沢の柳下正明監督(59)がこのほど、スポーツ報知のインタビューに応じ、3季目の指揮を執る今年は、J2初の1桁順位を目標に掲げた。特に昨季5勝7分け9敗と負け越したホームでの白星増へ気合十分。今月から始まるキャンプで鍛え上げ、2月24日開幕のリーグ戦に臨む。(聞き手・竹内 竜也)

 ―18年シーズンは13位で、J2昇格後の4年間で最多の14勝、最多の勝ち点55、最多の52得点でした。

 「選手一人一人が攻守において成長している。チームとしても、勝ちきるところまではいけなくても、90分間戦いきるところはできている。チーム力は上がっていると思う」

 ―2桁得点の選手がいなくても、過去最多得点だった。

 「まだまだ満足はしていない。前のシーズンよりは、ビッグチャンスの数は増えている。それに比べたら、(決めるという部分で)まだまだ下手だな。『何で(シュートが)枠にいかない!?』というのが結構ある。個人の技術的な部分が大きいから(練習を)やり続けるしかない」

 ―決定力が課題?

 「決定力だよね。ただ、チャンスがないゲームで点が入らないのは決定力(が課題)ではない。チャンスはあるのに、点が入らないから決定力がないということ。しっかり詰めていかないといけない」

 ―金沢の監督就任3季目の目標は?

 「2年間で土台ができたと思っている。もっとサッカーとして面白みを増やせていけたらと思う。順位は17位、13位と少しずつ上がってきている。ならば次は1桁順位を狙うのが現実的。ただ、勝ち点は49、55ときているから次は61までいけるかというと、そんなに単純ではない。どこのチームも(実力が)近づいていて、勝ち点を計算できるチームなんてない。順位の方が明確に(目標として)出せる」

 ―昨季は14勝13分け15敗。ホームでは5勝7分け9敗と分が悪かった。監督は続投決定時にも「ホームで勝ち点3が取れるチームづくりを」とコメントしている。

 「内容的には、勝ち点3を取れないゲームはなかった。ただ、正直にやりすぎて点が取れない、カウンターを食らって失点するという場面があった。もうちょっとしたたかに、勝ち点3を取れるチームにしていくことが必要かなと思う」

 ―昨季のベストゲームは?

 「シーズンを通して、ある程度いいゲームができたので、『これだ』というゲームはない。戦い方がはっきりしている岐阜、東京V、徳島とのゲームでは、金沢の良さをより出せていたと思う」

 ―昨年は大卒ルーキーのDF毛利駿也(23)がサイドバック(SB)、DF山本義道(のりみち、23)がセンターバック(CB)で、それぞれレギュラーをつかんだ。

 「2人とも大学までやっていたサッカーに、金沢のサッカーを吸収して、確実に成長している。ただ、ゲームの中でいい時と悪い時がはっきりしている。状態が悪いなりにも、平均したプレーを出せるようにしていかないといけない。プレーのミスは仕方ない。判断が間違ってしまうと、いいプレーは生まれない。判断をしっかり、正確にできるようにしてほしい」

 ―ところで、金沢生活はいかがですか?

 「1年目から堪能しているよ(笑い)。最終戦(昨年11月17日の水戸戦)が終わってから、兼六園に行ってみたよ。25年くらい前に家族で行って以来かな。紅葉は、ほぼ赤になるのかと思ったら、黄色もあるんだね。真っ赤と黄色と、中間くらいの3種類があったな。平日でも人がたくさんいたよ。桜の時期だったり、季節によって楽しめると思うので、これからも時間があれば行ってみたいね」

 ―最後に金沢サポーターにメッセージを。

 「高すぎる目標ではないけれど、1桁順位を狙って、チームを成長させていきます。昨年同様、最後まで走りきるチームで戦っていきます。今年も熱い声援をよろしくお願いします!」

 ◆柳下 正明(やなぎした・まさあき) 1960年1月1日、静岡県生まれ。59歳。浜名高、東農大を経てヤマハ発動機(現J1磐田)に入団。82年度の天皇杯で優勝するなどDFとして活躍した。引退後は磐田のコーチを務め、03年に監督昇格。04~06年は札幌(当時J2)、09~11年は再びJ1磐田を率いて10年にナビスコ杯(現ルヴァン杯)優勝。12~15年はJ1新潟、17年からはJ2金沢の指揮を執っている。

サッカー

×