【磐田】小川航基、反骨心持ち定位置奪取&東京五輪へ「信頼を勝ち得たい」

スポーツ報知
色紙に今年の抱負を記した小川航

 J1ジュビロ磐田FW小川航基(21)が4年目のシーズンを迎える。昨年12月の東京VとのJ1参入プレーオフ(PO)決定戦では自らPKを獲得し、決勝弾。J1残留の救世主になった。だがリーグ戦は左ひざの大ケガの影響もありわずか1ゴール。今季は五輪を目指すU―22日本代表の争いも熾烈になり、勝負の1年となる。五輪エース候補の胸中に迫った。(山田 豊)

 ―オフはどう過ごしましたか?

 「今までは(年代別)代表活動やリハビリがあり、プロ入り後1か月以上オフがあるのは初。意識的に休もうとグアムにいったりしましたが、オフを過ごすのは難しい。いまは(横浜MのFW李忠成らも使う)都内で高地(3000メートルの)酸素濃度が体験できるジムでトレーニングしている。心肺機能を高め、疲れにくくしようと取り組んでいる」

 ―一昨年のU―20W杯(韓国)で大ケガした左ひざの状態は?

 「シュート練習や休める時間など向き合い方は分かってきた。ただ、右ひざと左ひざは全く別物。例えばコンクリートの上を走った後、左右の感触は違う。ひざの中の何かが切れている感じがする」

 ―J1参入PO決定戦・東京V戦では自らPKを獲得し、決勝弾。J1残留に貢献した。

 「(J1最終節の)川崎戦後、堅碁君(川又)の状態も良くなかった。正直、POでダメなら五輪にはいけないと思っていた。PO転落はチームにとってはショックだったけど、自分にとってチャンスだと捉えるよう心がけた。注目度高い試合は大好物。しかも先発。『気持ち』が出た」

 ―昨季はリーグ戦わずか1得点。

 「(1番手の)堅碁くんが負傷で出られない中、32節F東京戦(0△0)で普段2列目の嘉人さん(大久保)を1トップにした。俺はセンターフォワードとして3番目。もっと『反骨心』を持たないといけない」

 ―ライバルは実績十分

 「堅碁君、嘉人さんを越えないと。チーム競争に負けたら東京五輪にいけない。俺の方がやれると思って取り組んでいる」

 ―印象に残った 試合は?

 「27節横浜M戦(1●2)。俺とハーフタイムに交代で入った堅碁君が得点。差を見せつけられた。信頼はああいうところから生まれる。前半で代えられているようではチャンスをつかめない」

 ―東京五輪を戦うU―22日本代表活動については。

 「(フル代表と日程が重複し)森保監督と一緒に練習すらやったことがない。『小川がチームの中心だな』と思わせないとオーバーエイジ枠に負ける。信頼を勝ち得たい」

 ―昨年11月のUAE遠征でU―21代表では3戦3得点。

 「自分のボールロストから失点するなどパフォーマンスは良くなかった。横内(昭展)監督代行(51)には『お前ならもっとやれる』と言われた。自分のポテンシャルを出せていないことが不甲斐なくもどかしい」

 ―ポテンシャルとは?

 「何を求められているのか100%認識しないといけない。仮に理解ができていても行動に移せていないのかもしれない」

 ―一昨年U―20W杯を戦ったフローニンゲンMF堂安律(20)やシントトロイデンDF冨安健洋(20)の年下2人が既にフル代表で活躍している。

 「律もJ3(G大阪U―23)でもがいて、J1で出られないうっぷんが爆発した。2人とも行くときはポンポン先へ進む。あいつらができるなら俺もできる」

 ―6月南米選手権はフル代表で挑むが五輪世代の選手が抜てきされる可能性もある。

 「まずは磐田で活躍しないといけない。序盤に点を沢山取れば見てくれている人はいる。例えば、清水FW北川航也選手も点をたくさん獲ってアジア杯の日本代表に入った。まず前半戦で5得点以上」

 ―昨季はMF上原力也(22)、DF大南拓磨(21)も成長した。

 「若手と話すときに『俺らがやらないとダメだよ』という話をする。周囲から『磐田はベテラン取って来すぎ』『ベテラン大事にしすぎ』と言われてしまうことは、若手のせいでもある。一番痛感したのは敵地での静岡ダービー。清水があれだけ若手が出ている中、磐田はボコボコ(1●5)にされた。でも俺はベンチスタートのまま使われず。何やってんだっていう悔しい気持ちになった」

 ―桐光学園の先輩、中村俊輔(40)とのプレーも3シーズン目。

 「高校の先輩で憧れというのも正直ある。かわいがってくれたと思っている。でもまだ、俊さんのパスから得点を決めていない。今年こそは決めたい」

 ―今年の抱負をお願いします。

 「レギュラー奪取。ゴールも2ケタ取りたい。スタメン取れてないのに何言ってんだと思われるかもしれないけど、無理だと思ってない。もう若くない。磐田の中心になるべく周囲を納得させるプレーをしていきたい」

 ―東京五輪については?

 「重圧よりもたかぶるし、わくわくする。競争に敗れないため本当に頑張らないといけない」

 ◆小川 航基(おがわ・こうき)1997年8月8日、神奈川・横浜市生まれ。21歳。小学生時は横浜港北SC、中学時は大豆戸FCジュニアユースに所属。桐光学園入学後は1年と3年時に全国高校選手権に出場し、16年に磐田へ加入。186センチ、78キロ。理想の選手はブレーメンFW大迫勇也。利き足は右。血液型O。独身。

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