【高校サッカー】青森山田、PKで2年ぶり決勝!“伏兵”小松慧が終了間際同点ゴール

スポーツ報知
PK戦の末、決勝進出を決め歓喜の青森山田イレブン(カメラ・清水 武)

◆第97回全国高校サッカー選手権第6日 ▽準決勝 青森山田3(PK4―2)3尚志(12日、埼玉スタジアム)

 準決勝2試合が行われ、青森山田(青森)が2年ぶり3度目、流通経大柏(千葉)が2年連続3度目の決勝進出を決めた。青森山田はシーソーゲームの末に、2―3の後半42分、FW小松慧(けいと、3年)が途中出場から61秒後に同点ゴール。PK戦で2人目が外す劣勢から4―2と逆転勝利した。昨年度準優勝の流通経大柏はDF関川郁万(いくま、3年)のゴールなど5―0で完封勝利した。決勝は14日、埼玉スタジアムで行われる。

 2―3の試合終了間際。敗退が頭をよぎった16年度王者を救ったのは“伏兵”の小松だった。後半41分からピッチに立って、61秒後。小松はゴール前で相手のクリアボールをカットし、こぼれ球を右足で押し込んだ。元日本代表の中山雅史に憧れる自称「炎のストライカー」は「きれいなゴールじゃないけど、思いが結果になった。FWは点を取ること以外に存在価値が見いだせない」とドヤ顔。黒田剛監督(48)は「何かをやってくれる奇跡の男」と脱帽した。

 逆転に次ぐ逆転のシーソーゲームを制した。1―1の後半18分にDF三国のゴールで逆転。だが、同30分にU17日本代表の尚志FW染野唯月(2年)のハットトリックで再逆転された。小松の同点弾で持ち込んだPK戦。青森山田2人目の三国が外して追い込まれたが、尚志の3人目が外し、4人目をGK飯田雅浩主将(3年)が見事セーブ。PK戦も逆転でものにした。

 劇的勝利を呼び込んだ小松は相次ぐケガを乗り越えた苦労人だ。F東京U15時代の中3時に腰椎分離症を発症。高2の5月22日の誕生日に右足首骨折の手術をし、12月の復帰初日と2週間後の練習中には2度、脳しんとうを経験した。

 休養中の9月にはコーチと衝突し、「サッカーをやめる」と埼玉に住む母・美和さん(49)に荷物を送ったことも。それでも情熱が冷めることはなかった。1~2年はベンチ外で3年夏からスーパーサブとして活躍。今大会は初戦・草津東戦でゴールを決めるなど4戦連続の途中出場で大きな結果を残し、「悔しい思いをバネに練習してきてよかった」と振り返った。

 3失点での辛勝に黒田監督は「しっかり守備を改善して決勝に臨みたい」。2大会ぶり日本一へ気を引き締めた。(星野 浩司)

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