【甲府】堅守3バックに“伊藤監督流”追加し4バックも

スポーツ報知
4バックの左DFに入った今津(左)は高いヘディングでクリアする(右は小林)

 1次キャンプ中のJ2ヴァンフォーレ甲府は20日、合宿地の静岡市・ナショナルトレーニングセンター(J―STEP)で、清水桜が丘高相手に今季初となる練習試合(20分×4本)を行い6―0で勝利した。1、2本目は新加入選手を中心に従来の3―4―3フォーメーション。3、4本目は4―3―3で4バックをサプライズで試行。伊藤彰新監督(46)はシーズンに向け、様々な可能性を探る。

 昨季からの既存メンバーが出場した3本目。DFラインには右から田中、小出、今津、小林が並んだ。この日初めてイレブンに投入が告げられたという4バック。伊藤監督は「去年からの選手は3―4―3の3バックは体に染みて分かっている。新しいオプションを作りたいという意味で、挑戦させた」と言い切った。

 昨季も開幕2戦目の東京V戦(3月3日、0△0)で4バックが投入されたが、他はすべて3バックで戦ってきた。指揮官は「(今日限りでなく)確実にオプションとして考えています。3―4―3にプラスして4―3―3というのを持っておきたい。状況によって、相手によって使い分けられれば」と前向きなテストであることを説明した。

 甲府の「堅守の3バック」は広く知られているところ。布陣が固定されると対策されやすいが、サイドや中央の構成が異なる4バックも併用することで、相手を惑わせることが可能。攻撃面でも複数の選択肢を持つことができれば、大きな力となる。新体制発表で佐久間悟GM(55)が話した「相手が嫌がるサッカー」という方針にも合致する。

 1次キャンプではこれまで、自陣や敵陣といったボール位置に応じた集団戦術の浸透を重視してきた。この日、試合前の午前練習ではゴール前の各位置からのセットプレーを確認。指揮官は「ゲームをやって、ゲームの中で修正する。課題を出す。そして開幕につなげたい」と青写真を描く。来月24日の開幕戦(アウェー・対大宮)、そして11月までの長いシーズンを見据え、攻守の幅を広げていく。(西村 國継)

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