【仙台】中沢佑二氏の背中見て育った期待の20歳・MF吉尾、新天地で2発「恩人へ恩返し」

スポーツ報知
左足を振り抜き、シュートを決める吉尾(中央)

 沖縄キャンプ中のJ1ベガルタ仙台で、横浜Mから期限付き移籍加入のMF吉尾海夏(20)が存在感を示している。7日目となった20日午前は、21日の九州リーグ・沖縄SVとの練習試合(11時・糸満市、西崎陸上競技場)に備えた実戦練習。吉尾は、3―4―3の右のシャドー(1・5列目)の位置でプレーし、ミドルシュートを2発決めた。横浜Mでは昨季限りで現役引退した元日本代表DF中沢佑二氏(40)の背中を見て、プロのあるべき姿を学んだ20歳が新天地での躍進を目指す。

 右サイドでボールを受けた吉尾は、迷うことなく左足を鋭く振り抜いた。斜め45度から放たれたミドルシュートがゴール左隅に突き刺さった。吉尾は「自信のあるシュートの形。初の試合でもしっかり結果を出せるようにしていきたい」と意気込んだ。その後も、

 続けて高い位置で相手のボールを奪い、右足のミドルシュートでもネットを揺らした。

 横浜Mの2人のレジェンドから学んだ経験を糧に仙台の主力を目指す。元日本代表DF中沢とはトップチームで2シーズンを共に過ごし、プロとしての覚悟、振る舞いを学んだ。吉尾は「若手の面倒をいつも見てくれて、行動でプロとはこういうもんだと教えてもらった。自分にとっての恩人です。ピッチで活躍して恩返ししていきたい」と言葉に力を込めた。

 そして横浜Mの下部組織出身の吉尾は、同じレフィティーの元日本代表で現磐田のMF中村俊輔(40)に強い憧れを抱いている。17年に中村が磐田に移籍したため、入れ違いとなったが、ユース時代にトップチームの練習に参加していた吉尾は、「小さい頃から、キックの蹴り方やプレーをまねしていた。間近でプレーが見られたことは本当に貴重な経験でした」と振り返る。

 吉尾は昨季、リーグ戦デビューを果たしたが、出場は6試合にとどまった。プロ3年目、初の移籍で躍進を狙う20歳は、仙台の3―4―3のシャドーでの攻撃センスが輝き出している。横浜Mでは主にインサイドハーフでプレーしていた吉尾は「仙台に来て、初めてやるシステム。新鮮なことばかりで楽しい。シャドーはより攻撃重視にいける」と自信をのぞかせた。新天地でポジションをつかみ、トッププレーヤーへの階段を上がっていく。(小林 泰斗)

 ◆吉尾 海夏(よしお・かいな)1998年6月28日、神戸生まれ。20歳。3歳から横浜で暮らす。N2SC、横浜Mプライマリー、横浜Mジュニアユース、横浜Mユースを経て17年から横浜Mでプロのキャリアをスタート。J1通算6試合出場0得点。168センチ、63キロ。利き足は左。

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