【金沢】新戦力〈1〉FW小松蓮、屈辱を力に変え得点王を狙う

スポーツ報知
力強い突破を見せる小松蓮(右から2人目)

 J2ツエーゲン金沢は、2月24日の開幕戦となるアウェー・栃木戦(午後2時、栃木)に向け、宮崎市で2次キャンプ中。1日も2部練習で汗を流した。J1松本から育成型期限付きで加入したFW小松蓮(20)は世代別日本代表経験者だが、プロ1年目の昨季は出場なし。屈辱を力に変え、新天地で得点王を狙う。

 充実の表情でボールを追い続けた。31日まで3日間のJリーグ新人研修があったため、数日ぶりのキャンプ参加。「研修ではプロサッカー選手としてのあり方などを考えさせられた」と今までない経験も。久しぶりのグラウンドに「いい雰囲気でやれているし、早くチームに帰りたい思いもあった。すごく楽しい」。爽やかな笑顔で汗をぬぐった。

 実績は十分だ。産業能率大1年時の2017年にU―20(20歳以下)日本代表入り。代表公式戦デビューとなったU―23アジア選手権予選(カンボジア)のフィリピン戦では4得点といきなり大爆発。18年1月には、現在A代表も兼任する森保一監督(50)率いるU―21日本代表入りし、U―23アジア選手権本戦(中国)にも出場した。

 一方、チームでは悔しい思いを重ねてきた。松本の下部組織出身だがトップへの昇格はできず、産業能率大へ進学。代表での活躍もあり、約1年遅れで昨年3月に松本へ加入した。大学を中退してプロの世界に飛び込むも、昨季は出場なし。夏場は度重なる足のけがにも見舞われ、「悔しくて情けなくて、腐りかけた」と挫折を味わった。

 支えになったのは家族だ。けがで苦しんでいた時期は、仕事の都合で近くに住んでいた両親と同居。「何か言葉を掛けられたというわけではないが、毎日、親が作るご飯を食べて会話をした。存在が大きかった」。衣食住で支え、寄り添ってくれた存在があったからこそ、苦しい時期を乗り越える事できたと振り返る。家族のために是が非でも新天地で活躍したいところだ。

 自らの武器は「前線でのキープやヘディング、ワンタッチプレー」と語る。「今年は何が何でも試合に出て点を取る。J2得点王になるくらいの覚悟」と小松。その先に、20年東京五輪代表入りを見据える。「めったにないことだし、そういう世代に生まれたので諦めたくない。究極の目標はA代表、プレミアリーグでプレーすること」と語った。壮大な夢への第一歩として、金沢でゴールラッシュを見せる。(三須 慶太)

 ◆小松 蓮(こまつ・れん) 1998年9月10日、東京・世田谷区生まれ。20歳。3歳からサッカーを始め、東京Vなどのスクールを経て、引っ越しを機に長野・諏訪FCへ。松本U―15、松本U―18、産業能率大を経て昨年3月に当時J2の松本へ加入。183センチ、77キロ。利き足は左だが、利き手は右。家族は両親と妹。趣味はゲームとアニメを見ること。

サッカー

×