常葉大橘高サッカー部・望月アドバイザー、2年ぶり復帰で全国導く…沢登氏ら輩出

スポーツ報知
スタッフと練習について話し合う望月アドバイザー(中)

 1986年度の全国高校サッカー選手権で東海大一(現東海大静岡翔洋)を初出場優勝に導いた望月保次氏(71)が1月に常葉大橘高アドバイザーに就任した。元日本代表の沢登正朗氏(49、常葉大監督)ら多くのプロを輩出し、清水ヘッドコーチも務めた名将が、17年に東海大静岡翔洋総合コーチを退任して以来、2年ぶりの現場復帰となった。

 古希を過ぎても指導への情熱は失せない。2年間サッカーと無縁の生活を過ごしたが「現場に立ちたいという思いはあった。選手を見ていると気持ちが高ぶりますね」。連日グラウンドに出て熱い視線を送る。

 常葉大橘スタッフ陣は平均年齢が30歳以下と若い。現在は指導者を指導する立場から、練習内容などをアドバイス。東一時代には3対3を基本に対人練習の人数を徐々に増やしてチームを作り、最後の選手権に臨んだ。「個々の特徴を伸ばし、チーム戦術と融合させる」という持論を伝える。

 すでに“望月効果”は出始めている。「足りない部分をズバッと突き、スタッフの共通理解も高まった」と新井裕二監督(35)。まだ名前を覚えていない選手へも、的確な指示でプレー修正を促す。「今は情報過多で選手も消化不良になりがち。選手にとって基本練習は面白くないが、楽しくできるように教えていく」と、新たな刺激を与える。

 全国選手権で今年準優勝した流経大柏・本田裕一郎監督(71)は静岡東高出身で同期。長崎総科大付・小嶺忠敏監督(73)とは国見時代に86、87年度の決勝で対戦した。橘は05、12年度に全国出場し、近年県4強の壁に阻まれているが「素直な子が多く、個の部分を強化すればいいチームになると思う」。名伯楽たちと相まみえる大舞台へ、強力サポートしていく。(青島 正幸)

 ◆望月 保次(もちづき・やすじ)1947年8月1日、旧清水市生まれ。71歳。清水東高、日体大、本田技研を経て79年に東海大一高監督に就任。全国高校選手権で86年度に初出場優勝、翌年準優勝した。92年に日本サッカー協会公認S級ライセンスを取得。清水ヘッドコーチや日本協会技術委員などを歴任した。家族は妻と1女。

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