【川崎】新加入・ダミアンのデビュー弾で初V「もっともっとタイトルを」

スポーツ報知
ゼロックス杯を初制覇し、喜びを爆発させた川崎イレブン(カメラ・川口 浩)

◆サッカー 富士ゼロックス スーパー杯 川崎1―0浦和(16日、埼玉スタジアム2002)

 昨季のJリーグ王者・川崎が、天皇杯を制した浦和を1―0で下し初優勝した。後半7分に新加入の元ブラジル代表で、ロンドン五輪得点王のFWレアンドロダミアン(29)が左足で決勝ゴールを挙げた。リーグ3連覇を含め、ルヴァン杯、天皇杯、アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)の4冠を狙う王者がカップ戦初タイトルを獲得し、好発進した。

 ロンドン五輪得点王が、いきなりベールを脱いだ。後半7分。ゴール右前に構えていたレアンドロダミアンは、高い打点のヘディングで味方にパス。受けたMF中村憲剛(38)のトラップは乱れたが、「うまく転がってきた」とはね返りを左足でボレー。名刺代わりの一撃でチームの今季初タイトルへと導いた。

 「すごくうれしい。最高のスタートだね」とFW小林悠(31)と相談して決めたという人気漫画「ドラゴンボール」でキャラクター同士が合体する「フュージョン」のゴールパフォーマンスを披露した。

 リーグ連覇した昨季はMVPのMF家長昭博(32)や中村らの巧みなパスワークの連係で「地上」を制した。今季はさらに高みを見据え「空」に注目。クラブ幹部は「相手に引かれた時、高さや強さでこじ開けることも必要になる」と身長188センチの助っ人を補強の目玉とした。

 その効果は、すぐに表れた。身長186センチの浦和DF岩波を相手に制空権を握り、強靱(きょうじん)なフィジカルでタメも作り、後半34分に交代するまで攻撃の核となった。開始40秒のファーストプレーでクロスを供給するなど、浮き球を多用した中村は「去年はつなぐことに意固地になる部分はあったけど、今年は制空権を握れる。高さと強さは策を練ってもどうにもならないし、時として絶対的になる。強いところを使うのは定石」と力説した。

 攻撃の幅が「地上」から「空」にまで広がったことで、相手は混乱。高い精度のパスと連係は、より威力を増した。相手DFのマークはレアンドロダミアンに集中し、FW小林やDF谷口彰悟(27)らの好機が増える相乗効果ももたらした。「初のカップ戦タイトルをもたらせてうれしい。今季はもっともっとタイトルを掲げたい」とレアンドロダミアン。新たな引き出しを手に入れた王者に、死角は見当たらない。(田中 雄己)

 ◆レアンドロダミアン(本名、レアンドロ・ダミアン・ダ・シウバ・サントス)1989年7月22日、ブラジルのジャルジン・アレグレ生まれ。29歳。サンタカタリーナ州のアトレチコ・イビラマの下部組織で育ち、2009年にインテルナシオナルに加入。ロンドン五輪では銀メダルと得点王を獲得。スペインのベティスなどでもプレー。ブラジル代表では11年にデビューし、国際Aマッチ17試合3得点。188センチ、90キロ。

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