【札幌】ミシャ監督、4年ぶり開幕白星へ強い決意

スポーツ報知
金髪にして練習に参加した札幌FWジェイ(右)

 J1北海道コンサドーレ札幌のミハイロ・ペトロヴィッチ監督(61)が、4年ぶり開幕白星で道民を元気づける。札幌は23日、アウェーで湘南との今季開幕戦に臨む。クラブ史上最高の4位を経て迎える2年目の今季、1か月超えのキャンプでミシャの“イズム”は存分に注ぎ込んだ。21日夜、胆振地方中東部を震源とする最大震度6弱の地震が発生した北海道のため、「走る」「戦う」「規律を守る」の3大原則を貫き、勝利をつかみ取る。

 淡々と話していたペトロヴィッチ監督の口調が、一瞬、変わった。21日夜に北海道を襲った強い地震。その報に、熱い思いが沸き上がった。「これ以上、大きな被害が出ないことを私も願っている。被災した方々はまだまだ心配があると思う。我々の試合を見て、少しでも元気を出してもらえる戦いができれば」。開幕前日、神奈川から地元北海道へ、そう気持ちを伝えた。

 昨年9月6日に最大震度7を観測した胆振東部地震の際、監督は同様の言葉を選手に伝えた。しかし「勇気を与えられる試合をやろう」と送り出した再開初戦で、川崎にクラブ最多の7失点を喫して敗戦。悔しさをあらわにした。それから5か月半、今度こそ有言実行を果たす。

 そのための準備はしっかり整えてきた。1月14日にタイから始まったキャンプを「いいトレーニングは積んで来られた」と振り返った。自身の超攻撃的スタイルを0から教え込んだ1年目の昨季は「時間も必要」と、納得いく仕上がりで開幕は迎えられなかった。しかし2年目の今年、その心配は消えている。「いよいよ始まるなと、楽しみな気持ちでいっぱい。あとはやって来たことをいかに表現できるか」。たたき込んだことを発揮すれば、最良の結果を得られる自信はある。

 教えの根底にブレはない。ペトロヴィッチ監督は「走る、戦う、規律を守る。その原則を実践することが大切になる」と昨季から繰り返してきた言葉を改めて口にした。身勝手なプレーはせず、チームのため献身的に動き続ける。唱えてきた教えを体現できる選手をそろえて臨む戦い、指揮官も全力でタクトを振るう。

 ペトロヴィッチ監督の日本での開幕戦は7勝2分け3敗。浦和1年目の2012年、前年まで指揮した広島に敗れ6戦目で初黒星を喫するも、翌年に雪辱した。昨季逃した勝ち点3をその手に収める。(砂田 秀人)

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