【仙台】GKシュミット、5年連続開幕戦無失点 7年ぶり浦和を完封

スポーツ報知
前半40分、素早い飛び出しでボールをセーブしたシュミット

◆明治安田生命J1リーグ第1節 仙台0―0浦和(23日、ユアスタ)

 J1ベガルタ仙台は開幕戦をホームで浦和と戦い、0―0で引き分けた。日本代表GKシュミット・ダニエル(27)を中心に統率された守りで7年ぶりに浦和を完封。開幕戦の無失点を5年連続に伸ばした。11位だった昨季はリーグワースト4位タイの54失点と守備に課題を残したが、昨季の天皇杯王者相手に堅守構築の成果を示した。新加入のFW長沢駿(30)とMF兵藤慎剛(33)が先発で仙台デビューし、ハードワークで勝ち点1獲得に貢献した。

 197センチのシュミットが迫力満点のジャンプで制空権を握った。浦和のクロスやセットプレーからのハイボールをがっちりキャッチし、相手の好機を摘み取った。守備陣を統率し、シュートは6本に抑えた。「ボールを奪われる時も前に押し込んでからだったので守りやすかった。まずは無失点で終われてほっとしています」と振り返った。

 17年に期限付き移籍先の松本から仙台に復帰してからはケガなどもあり、今季が開幕戦の初スタメンだった。白星こそ逃したが、公式戦9試合未勝利だった難敵の浦和を12年6月23日のアウェー戦(0△0)以来7年ぶりに無失点に抑え、仙台の開幕戦5年連続完封に貢献した。

 新加入で先発した長沢と兵藤の2人も体を張った守りを見せた。MF富田晋伍(32)とダブルボランチを組んだ兵藤は、「最初から激しくいって試合を引き締められた。球際の部分で負けずにいけた」とボールを保持する相手の攻撃を何度も防いだ。渡辺晋監督(45)は「締まった試合だった。献身的に守備をしてくれた」と新戦力を評価した。

 昨季はリーグワースト4位タイの54失点で11位に終わった。目標のトップ5入りへ失点数を減らしていくことは必須の課題で、キャンプから守備の練習に力を入れてきた。仙台戦12試合14得点のFW興梠慎三(32)をはじめ、FW杉本健勇(26)、MF山中亮輔(25)ら日本代表経験のある浦和のキーマンに決定的な仕事をさせなかった。シュミットは「相手の良い形をつくらせなかった。最後のシュートコースを切ったり、(チーム全員が)高い集中力で試合に臨んでいた」と手応えを口にした。

 シュミットは今季から副主将を務め、チームを引っ張る覚悟は強い。仙台唯一の日本代表選手として、「(日本代表に)選ばれ続ける保証はない。リーグ戦でしっかり結果を残し続ける」とストイックな日々を送っている。昨季の天皇杯決勝で惜敗した強敵からまずは勝ち点1を奪った。シーズンは始まったばかり。初タイトルを目指す今季、躍進の基礎となる堅守を示し続ける。(小林 泰斗)

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