【浦和】興梠、志願のPK決める「モヤモヤがスッキリした。これからが楽しみ」

スポーツ報知
後半27分、PKを決める浦和・興梠(左)

◆明治安田生命J1リーグ第3節 松本0―1浦和(9日・サンアル)

 浦和のエースFW興梠は冷静だった。後半26分、MF長沢のクロスが相手の手に当たり、ハンドの判定。蹴りたがるFWナバウトを「蹴らせてくれ」と制した一度フェイントを入れ、右足でゴール右隅に決めた。開幕から252分でリーグ戦チーム第1号。自身13年連続ゴールで1―0で今季初勝利を呼び込んだ。

 蹴る直前、松本GK守田から「何度か(PKを)やってますよね」とささやかれた。16年の新潟戦でPKを守田に止められた因縁があったが、この日は挑発に惑わされず「プレッシャーに打ち勝ててよかった」。試合後のシャワーで興梠と隣り合ったMF宇賀神は、「蹴る時に『めちゃくちゃゴールが小さく感じた』と言ってた」と明かした。興梠の苦悩を物語っていた。

 昨年までJ1通算135得点。ゴールが使命とされる興梠の重圧は計り知れない。開幕戦から新加入のFW杉本、MFエベルトン、DF山中が先発。開幕前の対外試合は1試合のみと連係不足が明らかな中でゼロックス杯、リーグ2戦と公式戦3試合無得点。「点が取れないのはFWの責任」と自分を責めてきた。

 6日のACLブリラム戦は3―0で完勝も得点は槙野、橋岡とDFの選手。ゴールに飢える興梠の全体練習後のシュート練習はより熱を帯びた。PKとはいえ、J1最長の8年連続2ケタ得点へ第一歩を切り「モヤモヤがスッキリした。これからが楽しみ」。重圧を振り払い、ゴール量産を見据えた。(星野 浩司)

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