ロシアW杯に招待され、被災地の元気と支援への感謝を伝えた3人の中学生

スポーツ報知
ロシアW杯に招待され、報告会の壇上に立った福島・南相馬出身の中学生3人。Tシャツは漫画家の高橋陽一先生がデザイン

 今月8日、日本代表のメンバー発表会見でおなじみの日本サッカー協会1F・サッカーミュージアムで、福島・南相馬市の中学生3人が壇上に立った。演目は「トモにロシアへ報告会」。復興支援ボランティアを行う日本代表サポーター有志の企画で、3人は2018年6月のロシアW杯に招待された。約100人が集まった客席には、Jリーグ副理事の原博実氏(60)やロシア領事館職員の姿も。現地での活動内容を堂々と報告した。(取材・岡島 智哉)

 プロジェクトのテーマは「福島の元気を伝えること」。南相馬市、南相馬市教育委員会、NPO法人「南相馬こどものつばさ」後援のもと、3人は7泊8日の日程でロシアへ出向いた。

 現地では「国際交流基金・モスクワ日本文化センター」で、ロシア人を中心とした参加者に放射線量の現況や食の安全をプレゼンテーション。満員の会場に思いを届けた。モスクワの日本人学校でも生徒150人の前で報告会を行い、観光名所「赤の広場」周辺や日本の1次リーグ第1戦コロンビア戦が行われたサランスクで感謝の横断幕を掲げた。英語やロシア語で「ありがとう」と記したお手製ハチマキも観戦者に配布。現地に住むロシア人や各国のサポーターと交流を行うことで被災地の元気を伝え、日本だけでなく現地メディアからの取材も受けた。

 南相馬市は地震、津波の被害で1121人が亡くなり、福島第一原子力発電所事故の放射能漏れの影響を多く受けた地域。震災から8年が経ち、原発復旧活動の拠点となっていたJヴィレッジ(福島・広野町、楢葉町)が4月に全面再開を予定するなど、世界各地からの支援もあって復興は確実に進んでいる。中学3年生の青田琉園(るのん)さんは「(各国からの)支援への感謝の気持ちを伝える場所が少ないと感じていたので参加しました。思いを伝えることができてよかった」と笑顔で振り返った。

 3人は原博実氏やお笑い芸人のシロたろしさん(43)=トゥインクルコーポレーション=を交えたトークセッションでも現地での活動や裏話を披露し、来場者からの質問コーナーにも対応。東北復興支援ドキュメンタリー映画「MARCH」も同時上映された。

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