17日にJFLが開幕 奈良クラブの24歳GM林舞輝から目が離せない

スポーツ報知
JFL奈良クラブの林舞輝GM

 17日にJFL(日本フットボールリーグ)が開幕する。昨季年間8位だった奈良クラブは今季から、24歳の林舞輝氏がGMを務める。欧州で指導論を学んだ逸材が見せるサッカーに注目が集まる。

 奈良クラブに若きGMが誕生した。世界を見ても例がない早さでチームの命運を託された林は「前例がなさすぎて、ビビりようがなかった」と笑う。きっかけは昨年の夏、中川政七社長からの連絡だった。当時ポルト大大学院の学生だった林は、一時帰国の際に社長と対面し「嬉しいし、23歳にやらせるってすごい度胸だなと思った」と新たな活躍の場としてJFLを選んだ。今はチーム強化から運営、コーチ業に至るまで多岐に渡る仕事をこなしている。

 異色の経歴を持つ。自身も小学校から高校までトップ下などでプレー。高校2年で部活を引退すると、かつて所属したチームから頼まれる形でコーチを始めた。卒業後は「スポーツ系のことをやるなら、向こうの方がいい」と単身英国の大学に進学。最初は店に行っても洗濯用の洗剤がどれかも分からないほど、言語と生活の変化に戸惑い、体調を崩したこともあった。「サバイバルでした」と振り返るが、スポーツ科学を3年間学びながら現地のチームでも指導を続け、最終的には主席で卒業を果たした。

 その後は「違う国に行って学びたい」とポルトガルへ渡った。指導者論の名門と評される大学院には今も在学中で「東京五輪が始まる頃までには卒論を出したい」と勉学との両立も掲げる。若さとその能力の高さに注目が集まるが「5年でJ2、10年でJ1であっと言わせるというのが目標。責任の重い仕事をやるからには僕は奈良に骨をうずめるつもりだし、自分の持っているものは全部出したい」と強い決意と覚悟を持って挑む。そのためにもGM初年の目標は「JFLで優勝して、J3に上がること」。開幕戦は17日にヴィアティン三重とホームで対戦。欧州仕込みの敏腕で旋風を巻き起こす。

 ◆林 舞輝(はやし・まいき) 1994年12月11日、東京都世田谷区生まれ。24歳。両親の影響でサッカーを始め、小1で「明正サッカークラブ」に入団。都立日比谷高2年時に指導者に転身した。その後はイギリスの大学でスポーツ科学を学び、主席で卒業。ポルト大大学院では、指導者論を学ぶと同時にポルトガル1部ボアビスタの下部組織でコーチも務めた。独身。趣味はNHK連続テレビ小説「あまちゃん」のDVDを見ること。

 ◇JFL(日本フットボールリーグ) 日本サッカーリーグ(1965~92年)、ジャパンフットボールリーグ(92~98年)の後を継ぐ形で、99年にスタート。3部で構成されるプロのJリーグとは異なり、アマチュア最高峰としてJリーグ入会を目指すクラブ、企業チーム、地域のアマチュアクラブなど16チームが参加。

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