【横浜C】52歳カズ、707日ぶり先発 戦友イチロー引退に「練習したのかな。気になるね」

スポーツ報知
前半、クロスに飛び込む横浜C・三浦(右は岐阜・竹田=カメラ・宮崎 亮太)

◆明治安田生命J2リーグ第5節 横浜C2―0岐阜(23日・ニッパツ)

 横浜Cの元日本代表FW三浦知良がホームの岐阜戦で、2017年4月15日の町田戦以来707日ぶりの先発出場を果たした。無得点に終わったが、52歳25日で自身の持つJリーグ最年長出場記録を更新し2―0の勝利に貢献。約20年の親交があるマリナーズ・イチロー外野手(45)の引退発表から2日。“戦友”が現役に幕を引いた一方で、「これからも先発で90分出場にこだわっていく」と掲げた。

 最低気温5度と冷え切ったピッチを、52歳のカズが全力疾走した。1トップで先発し、前半29分に右サイド敵陣深くへのスルーパスで好機を演出。同41、45分と右クロスに2度飛び込んだが合わず、「もうちょっと良いセンタリングを上げてほしい。俺の頭に当てるくらいの気持ちで」と笑った。

 後半も軽快に動き、「もうちょっと出たいな」と感じたが9分に交代。自身の持つJ最年長ゴール記録(50歳14日)更新は逃したものの、「チームを勝ちに持っていける試合のまま交代する」という思惑通り、代わったFWイバが得点し今季ホーム初勝利を決めた。

 先発フル出場へのこだわりは誰よりも強い。オフのグアム自主トレは12月と1月の2度、ほぼ無休で行い連日の3部練習で鍛えた。クラブは今季、敵地の試合はあえて帯同させず、横浜に残って入念に調整。タヴァレス監督(62)は、「52歳であれだけ走り、相手にプレッシャーをかけられるのは驚き」と舌を巻いた。

 イチローの引退発表から2日後に先発し、「面白いよね」。互いに年齢にあらがいながら現役を続け、22日には「喪失感がすごい」と寂しがった。メールは「まだしてない。迷ってます」。引退会見の「明日も練習する」という言葉を思い返し、「練習したのかな。気になるね」と笑った。

 試合前練習で客席へサインボールを投げ入れる際には、イチローばりの“レーザービーム”を披露。他の選手がピッチ中央で整列する中、真っ先にファンサービスへ向かい気持ちを高ぶらせた。プロ34年目。「年齢はあまり考えないように。今日1日で満足はできない」。60歳での現役を目標に掲げるキングは、まだまだ足を止めない。(星野 浩司)

サッカー

×