【富山】FW高橋“地元復帰弾”で今季初勝利呼び込んだ

スポーツ報知
前半40分、GKを抜いて先制ゴールを決める富山FW高橋(左から3人目)

◆明治安田生命J3リーグ第3節 富山1―0群馬(24日・富山県総合運動公園陸上競技場)

 J3カターレ富山は24日、ホームで群馬を1―0で下し、3戦目で今季初勝利を挙げた。前半40分、群馬から新加入したFW高橋駿太(30)が、MF花井聖(29)のスルーパスから抜け出し、相手GKも交わし鮮やかなゴール。富山・射水市出身の富山第一OBが“地元復帰弾”で勝利を呼び込んだ。

 待ちこがれた19年初勝利は、帰ってきた地元ストライカーの右足から生まれた。前半40分だ。縦パスに抜けだした高橋がGKと一対一に。さらに右へ交わしてGKを転倒させると、がら空きになった無人のゴールへ冷静に蹴りこんだ。

 悔しさを込めた。高橋は「先週もホーム開幕戦で一対一を外して、負けた責任を感じていた。チャンスがあれば自分が決めて勝ちたかった」と静かに喜びを語った。花井のスルーパスを、FW才藤龍治(26)がスルーして相手DFを引き付けたため、決定的な形で高橋に届いた。「真ん中にボールが来たときに(才藤)龍治がスルーするだろうなと思った」と、ツートップのあうんの呼吸で生まれたゴールだった。

 今季1号は、古巣への“恩返し弾”でもあった。「去年までお世話になったチーム。個人として特別な思いはあった。成長した姿を見せられた」と高橋。今季は選手生活13年目で初めて地元クラブのカターレ所属となり「勝ち続ければ、お客さんももっと来てくれると思う」と、ホーム開幕戦から2000人台が続く観客数への貢献を誓った。

 勝利が決まった瞬間、ガッツポーズで喜んだ安達亮監督(49)は「ツートップが縦関係になって相手の3バックの間をすり抜ける、狙い通りだった」と納得の表情。前半7分に才藤がGKとの一対一で止められるなど、より大きな点差で勝てた可能性もあったが「決めきれなかったところは『ダメな所』でなく『伸びしろ』だと思う」とシーズンを通してのチームの成長に期待をよせる。

 高橋は次戦の敵地・鳥取戦(31日)に向け「今年のカターレのサッカーは攻撃的で、2―0、3―0で勝てるサッカー。個の質を高めて完成させて、勝って富山に帰ってきたい」と決意を明かした。点を取るサッカーで勝利も観客もJ2昇格も、すべてをつかみ取る。(西村 國継)

サッカー

×