W杯予選で8度対戦も勝利なし…オマーンにとって日本は憎き強国、悲願1勝へ並々ならぬ闘志

スポーツ報知
公式練習を見守るピム・ファーベーク監督(カメラ・竜田 卓)

◆アジア杯 ▽1次リーグ第2戦 日本―オマーン(13日、UAE・アブダビ)

 オマーン代表取材歴12年の地元紙「トゥーファ」のマタル氏は、日本のサッカー事情にやたらと詳しい。「岡崎慎司はなぜ外れた?」「酒井宏樹と酒井高徳は兄弟だと思っていたよ。あれ、今回は高徳がいないな」「内田篤人は元気か?まだ老け込む年じゃないだろ?」―。なぜそれほどまでに詳しいのか。尋ねると、苦笑いが返ってきた。「日本に何回負けたと思ってるんだ!なぜ毎回、日本と同組になってしまうんだろうか…」

 W杯予選では、日本が開催国だった02年大会を除き、98年フランス大会、06年ドイツ大会、10年南ア大会、14年ブラジル大会と、奇跡的に4度も同組に。2分け6敗と日本に勝てず、出場権を逃した。アジア杯でも国際大会初出場となった04年大会で敗戦。オマーンにとって日本は越えられない壁であり、越えなくてはならない壁なのだ。

 悲願の日本戦勝利を目指し、韓国とオーストラリア代表監督時代に対日本戦3戦無敗のピム・ファーベーク監督(62)の招へいに成功。GKのA・ラワヒ(24)は「我々にプロとはなんたるかを教えてくれた」と感謝する。ピム監督は公式会見で「日本という偉大なチームに近づくためにも必ず勝ち点3を取る」と息巻いた。

 「打倒・日本」へ、マタル記者は「一人ひとりの質はここ数年で一気に伸びた。穴がなくなったね」と自信を見せる。1次リーグ突破のためには、日本戦での敗北は許されない状況。88年の初対戦から31年。何度もはね返されてきた宿敵に、並々ならぬ闘志でぶつかる。(岡島 智哉)

 ◆オマーン 中東および西アジアに位置する絶対君主制国家。首都はマスカット。面積は約30万9500平方キロメートル(日本の約85%)。人口は約460万人(福岡県とほぼ同数)。1970年にイギリスの保護下から独立。石油や石油製品の輸出を主な産業する。公用語はアラビア語。

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