UAE市民にまで根付いている敵国カタールアレルギー…22年W杯どうなる?

スポーツ報知
アジア杯を優勝し、歓喜するカタールイレブン

 国際サッカー連盟(FIFA)は15日、米フロリダ州マイアミで理事会を開き、2022年W杯カタール大会の出場チームを16増の48に拡大する案を、近隣国との共催を条件に実行可能と認めた。パリで開催される6月の総会で可決されれば正式に決まる。実現すればアジアからの出場チームは8以上となり、前回ロシア大会の5から大幅に増える。一方で、FIFAが挙げた共催の候補国にはカタールと断交状態にあるサウジアラビアなども含まれている。

 1月にアジア杯の取材でUAEを訪れた。タクシー移動が多く、運転手とサッカーの話題になり、ボールを保持されたサウジアラビア戦後は「日本は勝てない。ダメだ」と言われた。風向きが一変したのは、決勝戦の前。それまで「日本はつまらない」と酷評してきた運転手から「頼むぞ」と背中をたたかれ、飲食店店員には「勝てよ」と握手を求められた。UAEと断交しているカタールが相手だったからだ。カタールへのアレルギーが市民まで根付いていることを肌で感じた。

 大会期間中にMF中島翔哉のカタール1部アルドハイル移籍が決まり、入団会見に記者を派遣しようと試みたが、空路の直行便はなく、オマーンを経由しなければ入国できないため、断念した。近隣諸国との共催案が浮上したカタールW杯だが、クリアすべき課題は多い。(サッカー班キャップ・内田 知宏)

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