“サランスクの奇跡”はハリル前監督の“遺産”デュエルが引き寄せた…長友、昌子、柴崎が右サイド完封

2018年6月21日5時22分  スポーツ報知
  • 後半、ボールに飛びつく長友(カメラ・竜田 卓)
  • 後半、キンテロからボールをキープする昌子(カメラ・竜田 卓)
  • 試合開始前、選手、監督、コーチ、スタッフの日本チーム全員で円陣を組み気合を入れる(カメラ・酒井 悠一)

 日本代表は1次リーグ初戦で強豪コロンビアを2―1で撃破。西野朗監督(63)が就任してから約2か月と準備期間が短い中で“サランスクの奇跡”を起こしたのはチームの一体感だった。データ分析会社「InStat」によれば、守備陣のデュエル(1対1)の勝率が高かったことが判明。バヒド・ハリルホジッチ前監督(66)の“遺産”も勝利の一端を担った。

 デュエル(1対1)の成長が「サランスクの奇跡」を起こした。4バックのデュエル勝率は長友が15戦11勝、昌子が11戦8勝で73%、酒井宏が16戦8勝で50%、吉田が13戦5勝で38%。4人で58・2%とコロンビアを上回った。吉田がややファルカオに手こずった印象はあるが、コロンビアの1トップと2列目を含めた4人は勝率41・5%。守備陣はコロンビアの攻撃陣を個の戦いで封じ込めた。

 デュエルとはフランス語で“決闘”の意を表し、バヒド・ハリルホジッチ前監督が強調してきたもの。ハリル監督以外も重要視する一面ではあるが、ハリルの“遺産”が勝利を引き寄せた。前半3分にはDFラインからのボールを香川がダイレクトで前方へ出し、大迫の突破からPKを獲得。縦に速いハリル流の実践も得点につながった。

 特に左サイドバックの長友が10戦8勝、左ストッパーの昌子が5戦4勝と地上戦で勝率80%。コロンビアはスピード自慢のJu・クアドラドが先発、途中からは左足の精度の高いキンテロが右サイドに入った。だが勝率はともに38%にとどまり、日本がキーマンを封じ込めた。4バック以外でも柴崎が地上戦10戦8勝の80%と健闘。長友、昌子、柴崎が相手の右サイドに“フタ”をした。

 コロンビアは前半3分にMFカルロスサンチェスが退場して10人となったが、デュエルのデータは個の対決の局面でのもののため、数的不利は影響しない。前半はチーム同士で68回だったデュエルが、後半は99回に増えた。これはコロンビアが数的不利な中、完全に個で打開にかかったことを示している。

 長友は前半に対峙(たいじ)したJu・クアドラドについて「この勝負(コロンビア戦)をやるって決まってから、セリエAではクアドラドの試合ばっかり見ていた」と強い気持ちを持って臨んだ。チーム全体のデュエルは167戦で日本が84勝、コロンビアが83勝と五分だが、4年前のブラジル大会では個人技に完敗していた。個の成長がデータからも見て取れる90分だった。(恩田 諭)

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