西野監督“サランスクの奇跡”はチームの一体感…先発外れた本田が“いじられ役”に

2018年6月21日5時15分  スポーツ報知
  • 試合開始前、選手、監督、コーチ、スタッフの日本チーム全員で円陣を組み気合を入れる(カメラ・酒井 悠一)
  • コロンビア戦から一夜明けた練習で軽快に動く(右から)植田、槙野を見つめる西野監督

 日本代表は1次リーグ初戦で強豪コロンビアを2―1で撃破。西野朗監督(63)が就任してから約2か月と準備期間が短い中で“サランスクの奇跡”を起こしたのはチームの一体感だった。データ分析会社「InStat」によれば、守備陣のデュエル(1対1)の勝率が高かったことが判明。バヒド・ハリルホジッチ前監督(66)の“遺産”も勝利の一端を担った。

 勝ち越し弾を決めたFW大迫が一目散にベンチへ走り、控え組の選手の輪に飛び込んだ。「まずはベンチに行こうと考えていた」。W杯19戦目で初めてアジア勢が南米勢を下した番狂わせの要因のひとつは、チームの一体感だった。

 選手との信頼関係が薄れたとの理由でハリルホジッチ前監督が解任され、西野朗監督が後任となった。W杯開幕まで2か月と短い準備期間の中で、厳しい管理体制を敷いた前任者とは違い、積極的に選手から意見を求めるなどコミュニケーションを大切にした。コロンビア戦の開催地・サランスク入りした17日夜には選手だけのミーティングを許可し、メンバー一人一人がW杯に向けた思いを吐露して結束を強めた。

 試合当日の宿舎出発前には主将MF長谷部の発案で、スタッフが作ったモチベーションビデオを見て気持ちを高めた。約5分間の映像には、1分け2敗で1次リーグ敗退に終わった14年ブラジルW杯の悔しさ、苦しい戦いが続いたロシアW杯アジア最終予選の激闘、応援してくれるサポーターの姿などが収められていた。「最後は仲間を信じ、チームだけでなく日本中ひとつになって戦おうというメッセージが込められ、素晴らしい映像だった」と長谷部。なでしこジャパンが世界一に輝いた11年7月のドイツ女子W杯では、ドイツを破った準々決勝前に選手が「東日本大震災」の映像を見て心をひとつにした例もある。映像を見た西野ジャパンの選手たちは、一気に表情を引き締めた。

 コロンビア戦では先発を外れたFW本田もチームのために発言を続け、いじられ役にもなった。長谷部は「圭佑は試合に出ていないのに一番声を出している。若手にいい影響を及ぼしている」と明かす。ハーフタイムには選手が活発に修正点を挙げるなど、団結力が深まっている。1―4と惨敗した14年大会に出場した7人(川島、長友、吉田、長谷部、本田、香川、岡崎)は、全員が今回のピッチに立って雪辱を果たした。

 20日の練習後はロシア入りしている家族と会う時間を設けた「ファミリーデー」を実施し、選手はつかの間の家族だんらんの時を過ごした。心身ともに充実した状態で、勝てば決勝トーナメント進出の可能性もあるセネガル戦に全力を注ぐ。(斎藤 成俊)

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