クロアチア代表が身につけた結束力…ただし協会は汚職まみれでクラブでは対立サポ殺人も

2018年7月15日18時0分  スポーツ報知
  • クロアチア代表は初の決勝に挑む(ロイター)

 ◆W杯ロシア大会▽決勝 フランス―クロアチア(15日、モスクワ・ルジニキ)

 ロシアW杯は15日(日本時間同日24時)に決勝が行われ、FIFAランク20位のクロアチアは同7位のフランスと対戦。決勝トーナメント(T)で3試合連続の延長戦を戦い、初の決勝に進出。同国の閣議では閣僚が代表ユニホームを着用し、同国協会は初出場だった1998年フランス大会で3位に輝いたメンバーを決勝に招待することになった。人口約429万人の小国のサッカー事情とは。2014年に現地で“見た”岡島智哉記者が解説する。

 名古屋で選手、監督として活躍したストイコビッチ氏や元日本代表監督のオシム氏などの影響もあり、日本には旧ユーゴスラビア諸国のサッカーを好む人が多い。私もその1人。旧ユーゴ圏の3か国でプライベート観戦した経験がある。

 しかし、クロアチアでの観戦は思わぬ事情でかなわなかった。14年、かつてFW三浦知良(51)=横浜C=も所属した名門・Dザグレブの試合を観戦するため、宿泊先のスタッフに会場までの行き方を尋ねると首を横に振られた。スマートフォンの翻訳機能で理由を聞くと、衝撃の返答が訳された画面を突きつけられた。「私たちのサポーターが2人、殺されたから」

 調べてみると、クラブを私物化する幹部の処遇をめぐりサポーターグループが対立。私が到着する数日前に敵対するグループ同士で発砲事件が起き、無観客試合になったという。他にもサッカー協会が汚職まみれであること、政治家を巻き込み諸問題の解決に取り組んでいるが頓挫していることなども分かった。クロアチアに限らず、旧ユーゴ諸国は選手のレベルこそ高いが組織力に難があるというのが定説。サポーターも同様で、民族対立の歴史の影響を感じずにはいられない。

 しかし今大会のクロアチアは「結束力」が違う。MFモドリッチを中心に、決勝Tでは3試合連続で先制点を許しながら全て延長戦を戦い勝ち上がった。国内でも12日に開かれた閣議では、閣僚が赤と白のチェック模様の代表ユニホームを着用して団結。プレンコビッチ首相は「クロアチアのサッカーやスポーツ、国家のイメージにとって驚くべき成功」と語った。

 同国協会は98年フランス大会3位のメンバーを決勝戦に招待すると発表。グラバルキタロビッチ大統領までもが現地に駆けつける“オール・クロアチア”態勢だ。中4日のフランスより試合間隔が1日短く、延長戦だけで合計90分間を戦っているため体力面では圧倒的に不利だが、小国の初Vを期待したい。

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