後藤奈津美、母校コーチから現役復帰で卓球実業団選手1勝

スポーツ報知
冷静に返球する後藤

◆報知新聞社後援 卓球日本リーグ・ビッグトーナメント第1日(5日・元気フィールド仙台)

 男女シングルス、同ダブルス各種目の1次リーグが行われ、女子シングルスで今年2月から日立化成に加入した後藤奈津美(23)が、久松亜由実(25)=愛媛銀行=に3―1で勝ち、実業団選手として1勝目を飾った。東京富士大を卒業後、同大学のコーチを経て選手に復帰。全日本選手権でスーパーシード(4回戦から出場)の経験があるカットウーマンは、実業団の強豪チームで頂点を目指す。

 カット系同士の冷静なさばき合いで、後藤が勝負勘を目覚めさせた。久松との序盤、300回を超えるラリーがあり、第1ゲーム3―3の場面で開始10分が経過。これ以降、レシーブ側が13回返すと得点を得られる「促進ルール」が適用され、同ゲームはミスで落としたものの、その後はフォアドライブで主導権を握り3ゲームを連取した。

 実業団選手として公式戦1勝目を挙げた後藤は、「(促進ルール適用は)前にも経験したけど、久しぶりで緊張した」と話したが、「途中から自分のペースをつかめた」とホッとした表情を浮かべた。

 東京富士大時代、2016年秋の関東大学リーグで、16年ぶりの優勝に貢献。17年の全日本選手権ではシングルスで4回戦から出場できるスーパーシードも経験した。17年に卒業後、同大学職員として卓球部のコーチを務めたが、全国教職員選手権を制すると「選手として活躍する姿を見てもらいたい」という思いが強くなった。

 周囲の協力もあり、今年2月に日本リーグで年間王者を決めるファイナル4で優勝4度を誇る日立化成に入社。チームには森薗美咲(25)ら代表経験者も在籍し、同リーグではゴールド選手として石川佳純(25)もスポット参戦する強豪チームだ。「勉強になることばかり。改めて強くなりたいと思えた」という。

 高梨小時代に柔道で鍛えた体の柔軟性がアピールポイントの一つだ。卓球は仙北中1年からだが「遅く始めても通用する」と、家族から勧められたカットの技術を高めてきた。「まずは一歩ずつ。この大会でも8強が目標で、次は日本リーグで優勝に貢献したい」と後藤。目の前の課題を一つずつクリアして、再び才能の花を咲かせる。(遠藤 洋之)

 ◆後藤 奈津美(ごとう・なつみ)1994年12月12日、秋田・大仙市生まれ。23歳。日立化成所属。仙北中1年から卓球を始め、大曲高で3年連続全国高校総体出場。2013年に東京富士大に進学し、16年全日本選手権女子シングルス5回戦敗退。17年全国教職員選手権女子シングルス優勝。162センチ、55キロ。家族は両親と兄、姉、妹。

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