名門・函館大ハンドボール部、部員6人で存続危機

スポーツ報知
部員6人の少人数ながら名門存続へ意欲を燃やす函館大男子ハンドボール部

 ハンドボール男子道学生リーグ戦で春秋通算71度の優勝と、287連勝を記録した名門・函館大が、存続の危機に陥っている。1チーム7人でプレーする競技で現在、部員は6人。新入生勧誘で、道学生春季リーグ(5月17~20日・札幌)出場を目指している。

 かつては体育館に50人ほどの部員がひしめき、かけ声が響きあった函館大男子ハンドボール部。過去最少部員となった今年は、系列の函館大柏稜高との合同練習などで実戦強化を続けている。佐野匠主将(4年)は「僕たちの代で伝統の灯を消したくない。何としても新入部員を確保し、春季リーグに出て、優勝を目指したい」と力を込めた。

 今年3月で勇退した前監督の松喜美夫氏(68)が1979年に創部した。全日本学生代表監督として98年、00年世界学生選手権も指揮した名将の指導で強豪に成長。1987年春季リーグから、15年10月の秋季リーグで北大に25―26で敗れるまで、287連勝の大記録も作った。松氏は15年に函館大を定年退職した後も指導を続けてきたが、学生数減少に伴い、部員確保が難しくなっていた。

 吉田大翔選手(4年)は「松先生から教わったのは『一束でなんぼ』。人数は少なくても、みんなで結束しピンチを乗り越え、恩返しをしたい」とメンバーの意気込みを代弁。松氏も「厳しい状況だが、やるからには優勝する自覚と執念を持ち、取り組んでほしい」とエールを送っている。(小林 聖孝)

 ◆函館大ハンドボール部 1979年創部。道学生春季リーグ戦で37回優勝、秋季は34回優勝。全日本インカレは31年連続35度出場し、最高は16強。東日本インカレは39年連続出場し、ベスト8が最高。函館市出身の松喜美夫前監督は函館大有斗高から日大に進み、関東学生リーグ得点王も経験。現在は日本ハンドボール協会評議委員を務める。

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