15歳・長崎美柚「練習成果出た」…連勝でジャパンOP本戦進出

スポーツ報知
長崎はミスショットに思わず舌を出して苦笑い。予選を突破して本戦出場を決めた

◆卓球ワールドツアー・ジャパンオープン荻村杯 第2日 ▽女子シングルス予選3回戦 長崎4―2バラージョバー(スロバキア)(7日、北九州市立総合体育館)

 男女シングルス予選2、3回戦が行われ、女子は世界選手権団体戦代表の長崎美柚(みゆう、15)=エリートアカデミー=が2連勝で本戦進出を決めた。2回戦で台湾選手を4―1、3回戦でスロバキア選手を4―2で下した。男子は吉村和弘(21)=愛知工大=、田中佑汰(17)=愛工大名電高=らが本戦に進んだ。

 長崎が世界選手権団体戦後の国内初戦で進化を見せた。回転量と威力のあるドライブで得点を重ね、強化してきたカウンターも要所で決まった。「新しい技術を追加して初めての試合で、練習の成果を少し出せた」。成長も実感し、2連勝で本戦進出を決めた。

 初めて日本代表に選ばれた世界選手権は出場なしに終わった。馬場美香監督も1次リーグ最終戦での起用を考えていたが、最終的に主力の調整を優先。長崎も「実力不足。試合に出られないのは当然」と受け止め、懸命に声を出して水を運ぶなどチームに尽くしたが、悔しさも残っていた。

 ジュニアでは常に団体戦でエースを任され、ベンチを温めるのは初めて。所属の中沢鋭監督に「悔しい」とメールを送ると「認められるような実力をつけるしかないぞ」と励まされた。「今までは出ることが当たり前だった。心の中で『あ、またか』と思っていたけど、出ないことが決まって、試合が好きなんだと改めて思った」と心構えが変わった。

 帰国した次の日から「試合にも出てないのに休んでる暇はない」と練習を始めた。2年後の世界選手権や五輪では試合に出て勝利に貢献し、メダルをつかむ。雪辱の思いを胸に、15歳が再出発した。(林 直史)

スポーツ

×