【ウィンブルドン】錦織、佐藤次郎以来85年ぶりの4強へジョコビッチも破る

スポーツ報知
錦織の対ジョコビッチ戦

◆テニス ウィンブルドン選手権第7日 ▽男子シングルス4回戦 錦織圭3(4―6、7―6、7―6、6―1)1エルネスツ・ガルビス(9日、英ロンドン)

 【9日=大和田佳世】男子シングルスで、錦織圭(28)=日清食品=が日本勢23年ぶりに8強へ進出した。4回戦で世界ランク138位のエルネスツ・ガルビス(29)=ラトビア=のサーブに苦戦したが、第2セットのタイブレイクで攻めるきっかけをつかみ逆転勝ちした。1933年の佐藤次郎以来の4強をかけ、11日の準々決勝で「大きな壁」ノバク・ジョコビッチ(31)=セルビア=に挑む。

 錦織が3度目の挑戦でウィンブルドン8強への壁を越えた。「1つのゴール。なかなかこの壁を破れなかったのでうれしい気持ちはある」と喜んだのもつかの間、次は「常に大きな壁」が現れた。準々決勝の相手は元世界NO1ジョコビッチに決まった。過去2勝13敗で直近で5月のマドリード・オープン、イタリア国際を含め12連敗中の天敵だ。芝では初対戦。会見で外国人記者に戦略を聞かれ「今言うと思う?」とかわした。

 日本男子で95年の松岡修造以来となる8強入り。他の4大大会全てで8強以上を経験してきた錦織でも苦しんだ。ガルビスは予選を突破し、3試合連続フルセット勝ちのタフガイ。強く速いサーブは「特有の打ち方でコースも全く読めない」。肘から上腕にかけテーピングした右腕を気にした第1セットは相手のサービスゲームで2ポイントしか奪えず落とした。

 ブレイクチャンスがないまま迎えた第2セットのタイブレイク1―1。弾むフォームから鋭いバックハンドのリターンでポイントにつなげた。「攻める自信がついた。自分のテニスが取り戻せた」というこん身の一撃。第3セットもタイブレイクにもつれ、5―2の時点で相手が左膝を負傷し応急処置を受けた。基本的にはゲーム間のみに取れる治療時間が特例で認められ、「(攻め込んでいる)ここで取るかという感じ」。ダブルフォルトを犯し追いつかれる最悪の展開にも「落ち着くことだけを考えて」、2度のセットポイントをしのぎ12―10でものにした。

 08年の4大大会デビューから10度目出場の節目で1つ歴史を塗り替えた。視線は1933年の佐藤次郎以来の日本男子4強より上に向いている。「優勝するにはタフな戦いが続く。安心していられない」。自信をつけた錦織が、新たな歴史の扉を開く。

 ◆11日のテニス放送 WOWOWライブ(20時55分~、25時~)で男子シングルス準々決勝を生放送。

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