【ウィンブルドン】錦織、ジョコビッチに13連敗 4強ならずも「勝利の近くまでは来ている」

スポーツ報知
ATPファイナル出場争い

◆テニス ウィンブルドン選手権第9日 ▽男子シングルス準々決勝 ノバク・ジョコビッチ3(6―3、3―6、6―2、6―2)1錦織圭(11日、英ロンドン)

 【11日=大和田佳世】男子シングルス準々決勝で、第24シードの錦織圭(28)=日清食品=は、第12シードのノバク・ジョコビッチ(31)=セルビア=に敗れた。天敵に13連敗で日本男子で1933年の佐藤次郎以来85年ぶりの4強入りを阻まれた。日本に一時帰国しハードコートシーズンに備え、最終戦ATPツアー・ファイナル(11月)で再びロンドンに戻ってくることを目指す。

 錦織はまたしてもジョコビッチの壁を破れなかった。通常は勝者と敗者が同時に退場するセンターコートから、うつむいたまま1人足早に引き揚げた。「最後まで崩せない。何かが足りない。それが何か見つけていかないといけない」。初めての準々決勝で大会3度優勝の元王者を倒しきる力はまだなかった。

 勝機はあった。第3セット。第5ゲームで0―40のブレイクチャンスを作った。しかしラリーで先にミスをし取り切れない。「我慢が必要。自分のテニスの質を絶対に最後まで落とせない」と頭で分かってはいたが攻めきれない。逆に他の選手なら返せない球に追いつき深く返す執念、1球ごとに威嚇するように声を上げる闘志に火を付けてしまい、第6ゲームにブレイクを許した。「1番大きいチャンスだった。取れていれば試合は変わった」と悔いた。

 悔しさの中にも収穫はある。第2セットはネットに活路を見いだし、前後左右に揺さぶって相手を自分より約100メートル多く走らせて奪い返せた。心は最後まで折れず「ずっとチャンスはくると思っていたし、(勝利の)近くまでは来ている」と手応えはあった。苦手の芝でのフットワークが改善され、長年の課題だったサーブでポイントが取れるようになり、初めて8強に入ったことも自信になった。

 世界ランクは復帰後自己最高タイの20位に戻る見込み。上位8人のみが出場できるATPツアー・ファイナル出場権争いも18位から10位に上がり、初めて「目指している」と言い切った。「この結果をバネに最後に(出場を)狙える位置までいきたい」。芝で感じたサーブへの手応えを全米オープン(8月27日開幕)を中心とするハードコートシーズンの結果につなげる。

 ◆ATPツアー・ファイナル 男子の最終戦でポイントが上位のシングルス8人、ダブルス8組で争う。2組に分かれてそれぞれ総当たりのリーグ戦を行い、各上位2人がトーナメントで優勝を決める。09年からロンドンで開催。錦織は3度出場し14、16年に準決勝進出、15年は1次リーグ敗退。

スポーツ

×