張本美和、3年ぶり年代別Vへ快勝発進

スポーツ報知
積極的に攻める張本美和

◆報知新聞社後援 卓球 全農杯全日本選手権 全農杯全日本選手権第1日(27日・神戸総合運動公園体育館)

 男女各1次リーグが行われ、カブ(小学4年以下)女子で張本美和(4年)=木下グループ=が初戦を3―0で勝利。1月の全日本選手権男子シングルスを史上最年少で制した張本智和(15)=エリートアカデミー=を兄に持つ大器が、3年ぶりの年代別優勝へ快勝発進した。今大会は4歳から小学6年まで1195人が参加。ホープス(同6年以下)、カブ、バンビ(同2年以下)の各部門で争われる。

 張本が一段上の強さを見せつけた。持ち味の両ハンドからの力強いドライブをコースに打ち分け、得点を重ねた。10歳とは思えない冷静な試合運びで初戦を快勝し、「1試合目だったのですごく緊張しました。バック(ハンド)は1ゲーム1ゲーム良くなって、フォアは順調。自分の武器が結構決まったのでうれしかった」と手応えを浮かべた。

 兄の智和は史上最年少で全日本選手権を制し、6月のジャパン・オープン荻村杯では世界王者の馬龍(中国)らを破って優勝するなど、日本の未来を担う存在だ。だが、卓球関係者の間では「素質では兄以上かもしれない」という声が上がるほど妹への期待も高い。

 今年に入り、成長は加速した。1月から中国人コーチの孫雪さんからマンツーマン指導を受けるようになり集中力が増した。6月にホープスナショナルチーム選考会で1位となり、今月上旬にはジュニアサーキット中国大会で国際大会デビュー。13歳以下のミニカデットの部で頂点に立ち、兄に「優勝するかなとは思ったけど、優勝したので。次は自分が優勝できるように」と刺激を与える存在にもなりつつある。

 将来の夢は兄と五輪に出場して金メダルを獲得すること。昨年7月には木下グループと所属契約を結ぶなど、大きな目標に一歩ずつ近付いているが、この大会は2年連続で準優勝に終わっている。「(孫)コーチが来てから、この大会まで頑張ってきたので、努力してきたことを全部出して優勝したい」。3年ぶりの年代別頂点へ、強い決意をにじませた。(林 直史)

 ◆卓球界の主なきょうだい選手

 ▼松平3きょうだい 3人とも世界選手権代表経験があり、次男・賢二(29)=協和発酵キリン=は4度出場。三男・健太(27)=木下グループ=は16年団体戦銀メダル、長女・志穂(23)=日本ペイントHD=は13年個人戦代表。

 ▼森薗きょうだい 姉の美咲(26)=日立化成=は14年全日本選手権混合ダブルス優勝。弟・政崇(23)=FPC=は17年世界選手権男子ダブルス銀メダル。

 ▼吉村兄弟 兄・真晴(24)=名古屋ダイハツ=は16年リオ五輪団体銀メダル。弟・和弘(22)=愛知工大=は17年全日本選手権準優勝。

 ▼加藤姉妹 姉・知秋(23)は17年全日本社会人選手権女子ダブルス3位、妹・杏華(21)=ともに十六銀行=は16年全日本選手権4強。

 ◆張本 美和(はりもと・みわ)2008年6月16日、仙台市出身。10歳。元選手でコーチの父・宇さん、母・凌さんの影響で卓球を始め、3歳で大会に初出場。小学1年時に全日本選手権バンビの部で優勝。身長146センチ。

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